フェラーリ初のSUV「プロサングエ」買うなら年収はいくら必要? 価格未公表の「超人気モデル」を手に入れるために“お金よりも必要なもの”とは?
フェラーリが本気で手がけた“高性能スポーツSUV”
いまやアストン・マーティンやベントレー、そしてロールス・ロイスといった超高級車ブランドまでもが手がけているSUV。もはやラインナップしていないブランドの方が少数派です。
フェラーリ「プロサングエ」
【画像】「えっ!…」フェラーリ初のSUVは年収いくらあれば買える? これが超人気モデル「プロサングエ」です(30枚)
そうした動きはスポーツカーブランドでも同様。ドイツのポルシェはSUVの黎明期に早々と高性能モデル「カイエン」を発表して大ヒットを記録しましたし、イタリアの高級スポーツカーブランドであるランボルギーニも「ウルス」をラインナップしています。
その一方で、イタリアのスーパーカーブランドであるフェラーリは、長年、SUVに手を出すことはありませんでした。そのため、「FF」や「GTC4ルッソ」といったクロスオーバー的な性格のモデルのことを、フェラーリのSUVととらえていた人も多いことでしょう。
そんななか、フェラーリ初のSUV「プロサングエ」が2022年9月にイタリア本国で発表され、同年11月に日本で公開されたことに驚いた人も多いことでしょう。
公式には「フェラーリ初の4ドア4シーターのスポーツモデル」とうたわれていますが、悪路を走破する姿はまさしくSUVそのものといえるものでしょう。
高性能スポーツSUVとしては最後発の部類となる「プロサングエ」ですが、その実力は驚きのレベルにあります。
なかでも、それを端的に表しているのがエンジンでしょう。スポーツカーメーカーが手がけるSUVとしては唯一、V型12気筒エンジンを搭載しているのです。
ポルシェの「カイエン」もランボルギーニの「ウルス」も、V型8気筒ツインターボエンジンが最大気筒数のエンジンとなっています。ロールス・ロイス「カリナン」はV12エンジンを設定していますが、こちらはスポーツ性能を求めたものというより、余裕と快適性、静粛性を求めたものであり、「プロサングエ」のものとは性格が異なります。
「プロサングエ」に搭載されるエンジンは、6.5リッターV型12気筒自然吸気。最高出力は725ps/7750rpm、最大トルクは716Nm/2100〜6250rpmを発生します。0-100km/h加速3.3秒、最高時速310km/hというパフォーマンスも驚愕です。
「プロサングエ」のルックスは、SUVならではの腰高スタイルですが、子細に観察してみると、ロングノーズでルーフの高さを抑えた、まるでクーペのようなプロポーションであることが分かります。
そのため写真ではコンパクトに見えますが、実際のボディサイズは全長4987mm、全幅2028mm、全高1589mmと大型です。1.6m未満に抑えられた全高が、クーペらしいシルエットを演出していることが分かります。
そのキャビンには、大人4名が乗ることができます。シートは前後独立型となっていて、フロントシートはもちろんのこと、リアシートもホールド性に優れた形状となっています。
そのリアシートにアクセスするためのリアドアは、後方を支点に前方が開く仕様。つまり観音開き仕様となっています。VIPの送迎に使用しても乗り降りしやすいことでしょう。
一括でもローンでも“億り人”にのみ許されたクルマ
フェラーリ「プロサングエ」
そんな「プロサングエ」ですが、現在、日本仕様の新車価格は公表されていません。
上陸当時は消費税込で4760万円とアナウンスされていましたが、販売店によると現在は約5500万円とのこと。さらに1000万円ほどの予算を追加すれば、さまざまなオプションを装着できるようです。
それらに納車までの諸費用を加え、7000万円を予算に購入プランを考えてみたいと思います。
一般的には「無難に買える新車の価格は年収の2倍程度」といわれており、その法則に当てはめてみると、「プロサングエ」の購入には1億4000万円程度の年収が必要ということになります。
ただし、それだけの年収では約半額が納税対象となります。手取り額は「プロサングエ」の予算と同じ7000万円となることから、決して余裕のある買い物とはいえません。
「年収の2倍程度」を「手取り額の2倍程度」と考えれば、単純計算で年収は3億8000万円程度が必要となります。
続いて、ローンで購入する場合を考えてみます。今回はオプションなどを合算した7000万円で計算してみます。
一般的なオートローンである60回(5年)・金利4%で設定すると、月々の支払いは128万9156円となりました。支払総額は7734万9361円、利息額は734万9361円です。
一般的に、毎月の支払いの適正額は「手取り額の2割」といわれています。月々の支払額を130万円とすると、毎月の手取り額は650万円、年間7800万円の手取り収入が必要となります。
上記のように、これだけの手取り額となると、ほぼ同額を納税しているものと考えられます。そのため年収は、1億5600万円は必要という計算になります。
また、リースや残価設定ローンで購入するという選択肢もありますが、現状、「プロサングエ」向けにはそのようなサービスは設定されていないようです。
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このように、「プロサングエ」を気軽に購入できる富裕層は、日本はもちろん世界的に見ても、ひと握りの人たちに限られます。
ただし、お金はあっても、現在、「プロサングエ」をオーダー・購入するのは困難な状況です。というのも、各国のフェラーリディーラーには発表前から予約希望者が殺到しており、オーダーストップ同然の状況が続いているからです。
そのため富裕層でも、早くて数年待ち、場合によっては購入不可となるケースもあるとのこと。そのため購入にはお金だけでなく、運やコネも必要となるでしょう。
世界的にプレミアムSUVの人気が高騰していますが、フェラーリ「プロサングエ」はなかでも指折りの貴重な存在といえそうです。