【漫画】バレたら死ぬ…恋心を昇華させるために描いた漫画が、本人に読まれてしまう様子に「良すぎて感動した」「全人類読んでほしい」など反響多数

『相棒をモデルに描いた少女漫画が本人に読まれているんだが』（『番長！ 神絵師コイツです！』より）が話題

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、キヨヤス理解さんが描く『相棒をモデルに描いた少女漫画が本人に読まれているんだが』(『番長！ 神絵師コイツです！』より)をピックアップ。

キヨヤス理解さんが2024年5月17日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.4万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、キヨヤス理解さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

外面と内面のギャップに爆笑！幼馴染への恋心の行方は…？

『相棒をモデルに描いた少女漫画が本人に読まれているんだが』（『番長！ 神絵師コイツです！』より）（5／39）

主人公は高校生の一色司(いっしきつかさ)。司は幼馴染で相棒の番長と呼ばれる伴長(ばんひさし)に恋心を抱いている。喧嘩では最強と言われるヒサ(伴長)は、ど天然な部分もありそのギャップからクラスの女子からも人気があった。

ストーリーは二人が小学生だったころを回想するシーンになり、司がどのようにしてヒサを好きになったのかが描かれる。自分の大切なものを土足で踏みにじる奴には全力で立ち向かう、そんな姿にほれてしまった司は、ずっと一緒にいたいという思いから「このままでいいんだ…」とその想いに蓋をしてきた。そして司はその恋愛感情を、番長をモデルにした少女漫画を描くことで昇華させるようになっていた。

ある日、同じ教室の女子たちが司が描いた「番長と私」を話題に盛り上がっていると、そこにご本尊(ご本人・ヒサ)が登場。そして自分がモデルとして描かれている漫画とは知らずに読んでしまう。自分の漫画を読んでいることを知った司は、内心大焦り。さらに「作者探すぞ！」と番長から言われてしまうのだった。

作品を読んだ読者からは、「センスの塊で最高に面白い」「見られることは無いと思ってた推し活が全て筒抜けだった感に似てる」「最高すぎて夜中に咽び泣いてた」など反響の声が寄せられている。

作者・キヨヤス理解さん「誰かのエネルギー源になれるような漫画を描きたい」

『相棒をモデルに描いた少女漫画が本人に読まれているんだが』（『番長！ 神絵師コイツです！』より）（18／39）

――『番長！ 神絵師コイツです！』は、どのようにして生まれた作品ですか？きっかけや理由などをお教えください。

本作はスカッと爽やかで楽しいラブコメを描きたくて生まれた作品です。

それに加え、『幼馴染への片思い』というよく見かけるテーマをどう料理してやろうかとこねくり回した結果、明るいマイルドヤンキーが「誰にも吐露できない恋愛感情」を昇華するために裏で幼馴染をモデルにした少女漫画を描いており、それがバレて大惨事・・・というトンデモトラブルから始まる話になりました。

二人の関係性の変化のみならず、「自分の欲望だけを詰め込んだ漫画を身近な人に読まれる」という現実に直面し胃に穴が空きそうになっている司の脳内リアクションや、分かる人には分かる共感性羞恥エピソードの数々にも注目していただければ幸いです。

――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

テンポのよさと中身の濃さです！ページを捲る手が止まらない！と言ってもらえるような漫画を描けるようになりたいです。

――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

1話で幼少期の伴が司に叱咤激励するシーンと4話のケンカシーンです。

「苦しいときこそ前を向いて努力する」という信念が好きで、強面で口数も少ないけどハートは熱い伴長にピッタリだなと思いこのシーンを執筆しました。

4話の喧嘩シーンは、今までお互い不満なところもなく仲良くしてきた二人が初めて腹割って不満をぶちまけて取っ組み合いの喧嘩をする回だったので「おめでとう！」って気持ちで描きました。強者同士の暴力最高！

――「個性強めの女の子達が推せる！！」や「オタク女子たちがお気に入り」など、メインキャラクター以外のキャラクターにも反響が多く寄せられています。キャラクターたちへのこだわりがあれば教えてください。

キャラクターを作る時は、事前に取材や情報収集を念入りにするようにしています。

今回は、自身の黒歴史や学生時代の漫研部・美術部にいた人たちを思い出したりオタク関連ショップや同人誌即売会、夜の繁華街に出向いたりと外に出て情報収集をすることも多く、とても楽しい経験でした。登場人物に何か少しでも「あるある！」と共感できる要素を感じていただければ幸いです。

――キヨヤス理解さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

今の目標は、今作『番長！神絵師コイツです！』を満足いくまで描き切ることです。

ノンケ同士の恋愛特有のじれじれ感をさらにじっくり描きたいと思っているのですが、それが叶うかどうかは売り上げ次第なので引き続き気合い入れて頑張ります。何卒応援よろしくお願いします(切実な土下座)。

それと長期的展望は、とにかく漫画を描き続けることです。天職だと思ってます！現在BLで3作ほどお仕事させていただきましたが、ジャンルや型に囚われずいろんなテイストの作品を、自分の性癖に正直に描いていきたいなと思っています。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いつも拙作を応援いただき本当にありがとうございます！漫画ってサイコーですよね。ページを捲っていくたびに深まる謎や人間関係にドキドキしたり、何が起きるか分からない不穏な空気にハラハラしたり、まさかの展開に笑ったり、時には人の愛や人生において大切なことを教えてくれたり。そういう刺激や感動が今日明日を生きる活力になって、時には新たな目標や希望を示してくれる・・・それもたったの数百円で！すごいことだと思います！

私はそうやって今までの人生を何度も偉大な先人達の作品に救われてきたので、いつか自分も誰かのエネルギー源になれるような漫画を描きたいと思うようになりました。こんな高尚なことを言いながらふざけた話ばかり描いてるので全く説得力がないんですが、少しでも楽しい気持ちになっていただけたなら本望でございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします！ザテレビジョン様、貴重な機会を頂きありがとうございました！