【日本市況】日経平均が大幅高、長期金利1%台-円は160円付近
(ブルームバーグ): 26日の日本市場では日経平均株価が約1カ月ぶりの大幅高。米国市場で人工知能(AI)向け半導体を手掛けるエヌビディアなどハイテク株が買われた流れを引き継ぎ、半導体関連銘柄が高い。長期金利は約2週間ぶりに1%台に上昇。円相場は対オーストラリアドルでの円安が重しとなり、心理的節目の1ドル=160円付近で小安く推移した。
25日の米株式市場ではエヌビディアが7%近く上昇し、ハイテク大手7社で構成する「マグニフィセント・セブン」の上げをけん引。日本市場でもディスコや東京エレクトロンなどが買われ、相場を押し上げた。
日経平均株価の終値は前日比1.3%高の3万9667円07銭、終値ベースで5月23日以来の上昇率東証株価指数(TOPIX)は0.6%高の2802.95、1989年12月の最高値まで3%未満 |
長期国債先物9月物終値は前日比24銭安の143円24銭新発10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)高い1.015%と11日以来の高水準 |
円は対ドルで0.1%安の159円82銭-午後3時34分時点一時159円90銭まで下落 |
株式
東京株式相場は3日続伸。米国のハイテク株高を受けて半導体関連銘柄が値上がりした。
東京エレクトロンが3.6%上昇し、TOPIXの上昇に最も貢献した。指数構成銘柄2137のうち、1282銘柄が上昇、741銘柄が下落した。
SBI証券の鈴木英之投資情報部長は、きょうは半導体関連企業に勢いがある一方、自動車メーカーなどTOPIXを支えてきたセクターが一息ついているため、投資家の関心が日経平均に向いていると述べた。
日経平均株価の値動き
25日公表の中期経営計画で2024-26年度の営業利益率22-28%の平均目標を示したアドバンテストが2カ月半ぶり高値を付け、日経平均構成銘柄の上昇率トップ。 同社グループ最高経営責任者(CEO)は、AIブームで今後数年の間に半導体が複雑化し、半導体検査装置の需要を押し上げるとの認識を示した。
アドテストCEO、AIブームは検査装置の需要拡大を意味すると期待
一方、トヨタなど自動車株が下落。SBI証の鈴木氏は、為替介入が警戒される中、投資家は円安が続くかどうかを懸念しており、現時点で輸出銘柄は買いにくいと話した。
債券
債券相場は下落。日本銀行による国債買い入れの大幅減額や追加利上げに対する警戒感から売りが優勢となった。
SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、債券相場は引き続き日銀政策変更への警戒感から軟調な展開と指摘。超長期債には生命保険会社の買いの期待があるが、「積極的に買っている感じはなく、いったんは5月下旬に付けた金利のピークを目指す動きとなりそうだ」と述べた。
新発国債利回り(午後3時時点)
0.305% | 0.550% | 1.015% | 1.870% | 2.230% | 2.365% | |
前日比 | +0.5bp | +0.5bp | +2.0bp | +3.0bp | +4.0bp | +3.5bp |
ブルームバーグが25日に行った特別調査によると、回答した43人のエコノミストのうち33%が、日銀が国債買い入れの具体的な減額計画を決める7月の金融政策決定会合で追加利上げを同時に実施すると予想した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、長期金利がさらにどんどん上昇する感じではないが「日銀買い入れの減額規模が明らかになるまでは相場の上値は重い」と指摘。「円安が大きく進んだこともあり、減額規模が大きくなると意識され、7月利上げ観測もここにきて高まっていることが警戒されている」と話した。
長期国債先物の推移
為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=160円を視野に小幅安の展開。オーストラリアの消費者物価指数(CPI)の上振れを受けて豪ドル高・円安が進み、ドルなど幅広い通貨に対する円の押し下げ要因となった。円は対豪ドルで2007年以来の安値を更新した。
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、円が対豪ドルで下落したことが対ドルにも波及したと指摘。ただ、週末にかけて四半期末のポートフォリオ・リバランスに伴うドル売りが優勢になるとみており、「対円で投機的に160円突破を狙う動きと、リバランスのドル売りが綱引きする展開が続きそう」と述べた。
豪中銀、8月は「ライブ会合」か-CPI上振れで利上げ確率40%に
前日からのドル・円相場の推移
--取材協力:田村康剛.
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