「老害扱い」されやすい4つの職業は?医師が解説「理由は優秀な人が多いから」
画像はイメージです。Photo:PIXTA
些細なことでイライラしたり、空気が読めずにトンデモ発言をしたり、武勇伝を何度も繰り返したり。そうした言動で周囲に迷惑を掛ける中高年層は、たとえ過去に仕事で成功していても、若者たちから「老害」だと認定されてしまいます。ですが、もちろん本人たちは悪気があって老害っぽい言動をしているわけではありません。では、なぜ「やらかす」のでしょうか。医学博士・平松類氏の著書『「老害の人」にならないコツ』(アスコム)から抜粋して、その答えをお届けします。今回のテーマは「老害扱いされやすい職業」について。
現役時代の職種から導きだされる「老害」の意外な共通点
「とても個人的な経験上の話」という前置きをしつつ、取り上げておきたいのは、現役時代に「先生」と呼ばれる職業に就いていた人は、若い世代からも同世代からも、老害扱いされやすい気がします。
教師、医師、弁護士(をはじめとする士業)、政治家などがそうです。
もちろん、全員が全員ではありません。もろに該当する読者は、気を悪くしないでください。全体的な話として、日々多くの高齢者に接している身として、そういう傾向があると感じるのです。
なぜ「先生」と呼ばれていた人(おそらく今も呼ばれている人)は、老害になりやすいのか。私が考える理由は、優秀な人が多いからです。
小さいころから勉強ができて、ものごとを論理的に説明でき、豊富な知識を持っていて、周りから敬(うやま)われてきた人が大半を占めるでしょう。そしてその経験が、自信と有能感を生みます。
それは決して悪いことではありませんが、万能ではありません。どなたにも、得意分野と不得意分野があります。
医学博士・平松類氏の著書『 「老害の人」にならないコツ 』(アスコム)
にもかかわらず、「自分はたいていのことは知っている」となりがちなのです。それがエスカレートすると、必要以上に自分の持っている知識をアピールしたり、誰彼構わず教えてあげようとしたりすることにつながり、その行動が老害力をさらに高めてしまうのです。
私も“元先生”の患者さんを多く診てきましたが、なかにはこちらが説明するのをさえぎって、「けっきょく、こういうことですよね」と先に結論を述べようとする人がいます。
あたかも医学的な知識があるかのようにふるまうのですが、間違っていたり、論理破綻していたりして、対応に困ることもしばしばです。
私がこういう患者さんを老害扱いすることはありませんが、場所と相手が変われば、そうみなされてしまうこともあるでしょう。
重ね重ね断っておきますが、「先生」と呼ばれる職業に就いていた人は、全員が危険な老害予備軍であるといいたいわけではありません。
読者のみなさんにとって興味深い話になると思ったので、経験上そういう傾向がありますよ、ということを、こぼれ話的に紹介させていただきました。
このような兆候が見られはじめたら老害注意報発令!
「自分は温厚な性格だし、元先生でもない。だから心配する必要はないね」
ここまで読み進めてきて、このように思った人もいるでしょう。
でも、油断はしないでください。その人の属性、人間関係、シチュエーション、行動などを細分化していけば、温厚な性格の人でも、元先生でなくても、老害認定される可能性はおおいにあります。
そこで、あなたが老害化する(もしくはすでに老害になっている)可能性を測る、簡単なチェックリストを用意しました。
該当する項目が多ければ多いほど、危険(=老害レベルが高い) と判断してください。なんらかの対策を講じないと、周囲の人と良好な人間関係を築くのが難しくなります。
出典:医学博士・平松類氏の著書『 「老害の人」にならないコツ 』(アスコム)