今永昇太が6回に3失点で8勝目ならず 米自己最速計測で10失点悪夢は払拭も踏ん張りきれず
6回に3失点で降板したカブス・今永昇太投手(ロイター)
◆米大リーグ ジャイアンツ―カブス(27日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)
カブス・今永昇太投手(30)が27日(日本時間28日)、敵地・ジャイアンツ戦に先発し、メジャー移籍後最速となる94・6マイル(約152・2キロ)も計測するなど、6回で93球を投げて5安打3失点、3奪三振で3―3の同点で降板し、8勝目(2敗)を逃した。「4番・左翼」でスタメン出場して初めて左翼を守った鈴木誠也外野手(29)は、3回に追加点となる適時三塁打を放った。
チームは4連敗中で、中5日で迎えた今永のマウンド。初回は先頭のスレーターに左翼ポール際へ特大のファウルを浴びるヒヤリとした場面もあったが11球で3者凡退。4日(同5日)の本拠地・ホワイトソックス戦以来4登板ぶりの150キロとなる93・5マイル(約150・5キロ)も計測した。
2回は、イニング開始前にスタンドで行われたファンのプロポーズの様子がビジョンに流れて盛り上がる中、先頭のチャプマンには四球。それでも1死でマトスから93・9マイル(約151・1キロ)直球で見逃し三振を奪うなど、後続を抑えて走者を進めることはなかった。3回表にはクルーアームストロングが死球で出塁して二盗、三盗を決めると、1死三塁でホーナーが左翼へ3号2ラン。2死一塁からは誠也が右翼へ適時三塁打を放ってリードを3点に広げた。
援護点をもらった左腕は、3回先頭のアーメドに対して、渡米後最速となる94・6マイル(約152・2キロ)を計測。だが11球粘られて四球を与えると、続く9番打者のカサーリにもこの試合初安打となる中前安打を許して無死一、二塁のピンチを迎えた。それでも後続をしっかり抑えて本塁は踏ませなかった。
4回は先頭の4番チャプマンから3球で見逃し三振を奪うなど、リズムよく全球ストライクのわずか7球で3者凡退。勝利投手の権利がかかった3―0の5回も7番からの下位打線を3者凡退に抑えて、3回途中から9者連続アウトとした。
5回終了時点で66球、1安打無失点と好投を見せて隙を与えなかった今永。だが6回は踏ん張りきれなかった。先頭のスレーターに左前安打。3イニングぶりに走者を背負った。2死からチャプマンにも右前安打を許して2死一、二塁となり、ソレアに左中間への適時二塁打。さらに暴投で三塁走者が生還して1点差に迫られた。2死三塁でマトスはボテボテのゴロに打ち取ったが、打球速度35・9マイル(約57・8キロ)と打球が弱すぎたことで二塁への内野安打になり同点。それでも続く打者を中飛に打ち取って勝ち越しは許さなかった。
メジャー1年目の開幕ダッシュに成功し、15日(同16日)の本拠地・カージナルス戦までの13登板は7勝1敗、防御率1・89と圧巻の成績を残して来た左腕。だが、前回登板の21日(同22日)の本拠地・メッツ戦では4回途中11安打10失点と大乱調で2敗目(7勝)を喫し、防御率は2・96となった。最速も92・0マイル(約148・1キロ)止まりで、試合後には「自分の100%が通用しない時があると感じた。やはり相手を上回るためには、もっと工夫しないといけない。まずはストレートに合わせて、浮いた変化球、という風に見えた。自分も対策しなければいけなかったんですけど、その対応も上回られた。僕はもっとさらに上回らなければいけない。そう簡単に行く世界ではないし、きょうはそうはいかなかった」と反省しきりだった。