黒猫にタキシード猫がぞくぞくと現れた…さすが紳士の街ロンドン
黒猫にタキシード猫がぞくぞくと現れた…さすが紳士の街ロンドン
こんにちは。世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。今回は、イギリスの首都ロンドンと、隣国アイルランドの首都ダブリンの猫たちです。
<イギリス・ロンドンで出会った猫たちの写真はこちら>
門の上にいる黒猫が遠くから見えました。近づいて話しかけると、「聞きなれない発音だな」というような表情をしました。
歩いていくと、また黒猫がいました。煉瓦の色に似合っています。同じ家で飼われている2匹ですが血縁関係はありません。
手前がスクラッチ(オス2歳)。子猫のときからあちこち引っ掻いて(スクラッチして)ばかりなので、その名前が付けられました。後ろにいるのは、ミニー(メス6歳)です。
ポートベロー(ノッティングヒル地区の通り)の商店街を歩いていると、ステキな洋品店のウインドーがありました。商品の上に猫が乗っていても、おかまいなしです。店員さんによると、「猫の好きなように自由にさせておきなさい」とオーナーからいわれているそうです。
ポートベロー商店街を囲む住宅街で出会った猫も黒猫でした。
「猫を撮っているの?」と話しかけてきた女性に「はい。今日、何匹かの猫に会いましたが、全て黒猫でした」というと、科学者を名乗るその人は「黒猫の毛色が遺伝する力は強い。雑種の猫が交雑を続けていくと、75%の確率で黒猫になる。だからこのあたりは黒猫だらけなのよ」と説明しました。
それは変だなあ、そうしたら全世界の猫は真っ黒になっているはずでは?と思いながら、その会話をメモしていると、真っ黒でツヤッツヤな猫が足元でこちらの様子をうかがっていました。
次に出会った猫は、素敵なタキシード模様でした。「お名前はタキシード?」と声をかけたら、途端にキリッとして、「それが何か?」とニヒルな表情になりました。
こちらのタキシードは襟の形がきれいです。「きれいなタキシードの毛並みが、ステキね〜」と声をかけると、シッポの先だけ上げて返事をしてくれました。「よくそういわれるんだよ」という意味だったと思います。
こちらのタキシードくんも、ツヤッツヤでした。ロンドンで出会った猫の多くが、黒猫とタキシード柄、しかもオス、というのが不思議です。
タキシード模様でないけれど、白と黒の割合が半々のこの猫は小柄なメスで、可愛いポーズをとってくれました。
パディントン駅のすぐ近くに運河があり、運河に沿って緑地帯が続いていました。ここはいわば犬の社交場で、初めて会う犬でもすぐに仲良しになるそうです。大きさや性格の違う犬と知り合い、出会えたことをよろこぶ大切な場所なのだと飼い主さんが話してくれました。
運河の「リトル・ベニス」と呼ばれているところでくつろいでいる猫がいました。チャーミングすぎるポーズを1枚撮ると、飼い主さんが現れました。その人はウェディングドレスのデザイナーで、愛猫を見つめていると、イメージがふくらんでステキなデザインが思い浮かぶのだと話してくれました。
突然雨が降ってきたので、パブで少し休みました。雨上がりに散策を再開すると、白の部分の多い白黒猫が歩道にいました。道路が濡れているので、歩くところを精査してから道路を渡ろうとしているようでした。
排気口か何かの開口部を利用してキャット・ドアをはめ込んだのではないでしょうか。専用階段が備えられたステキな猫玄関です。
短毛の真っ白な猫に会いました。郊外の古いお屋敷に住んでいて、イタチなどの小動物が侵入しないか、塀の上から目を光らせています。
塀の上にたたずみ、声をかけられるのを待っているかのような茶トラの猫がいました。話しかけると、うれしかったのでしょう、「ここをなでられたいんだ」と背中をなめたので、よしよしとなでてやりました。
この茶トラ猫もかまってほしい系でした。気を引きたいのか、ゴロンゴロンと向きを変えながら、こちらの様子をうかがっていました。
ロンドンで出会った猫たちは、立ち止まった人を鋭い目で観察していました。どういう行動をとったら相手をしてもらえるかを、瞬時に見極める能力を持ち合わせる頭脳派の猫たちでした。
※ロンドンへの行き方
羽田空港からロンドン・ヒースロー空港まで、1日に数便の直行便があります。空港から中心部までは、約22キロメートルです。