シチズン100周年 そのユニーク過ぎる歴史を見てきた
シチズン100周年 そのユニーク過ぎる歴史を見てきた
シチズン時計は、「CITIZEN」の名を冠した初めての時計を製作してから100周年を迎えた。これを記念して、腕時計を中心に過去100年の歴史を100本の製品で振り返る展示イベント「The Essence of Time」が開催された。
イベントは東京での開催のみならず、北米、欧州でも開催される予定で、世界に向けて発信するものになる。貴重なビンテージモデルも多数展示され、第1弾となる東京の会場では展示にカバーを設けないなど、製品の雰囲気を感じ取りやすい展示になっていたのが印象的。残念ながら関係者向けとなり、一般公開の予定はないとのこと。
会場は築97年で登録有形文化財の九段ハウス(旧山口萬吉邸)
100年の歴史を彩る腕時計が100本紹介される
同イベントは、「洗練された技術」「アナログとデジタルの融合」「エコ・ドライブ」など、12のカテゴリーに分けて製品を紹介しており、合計100本という大規模な展示になっている。
全体を通して、シチズンという会社・ブランドが持つ「チャレンジ精神」が大いに感じられる内容だったのが印象的。テーマに挑む開発者の悪戦苦闘する姿が見えるような、開発背景やコンセプトまでフォローした展示になっていた。
本稿では、「今見てもカッコイイ」「今復刻されたら欲しいかも」といった観点を含む、筆者の興味に沿って選んだ製品を、写真を中心に紹介していく。イベントでのカテゴライズや切り口とは異なる視点でのピックアップになっている点はご了承いただきたい。
100年前の懐中時計を復刻
シチズンの始まりとなった「16型懐中時計」
展示会場で最初に目にするのは、100年前に発売された「16型懐中時計」。そこから歴史を彩る100本が図とともに紹介され、この秋冬に限定復刻する「100周年記念 懐中時計」が展示されている。復刻モデルは審美性を追求したムーブメントのパーツも紹介されている。
復刻モデル「100周年記念 懐中時計」
搭載ムーブメント「Cal.0270」のパーツ
パーツの解説
デザイン案
16型懐中時計(1924)
腕時計の展示は、50~60年代の機械式からはじまり、機械式クロノグラフ、クオーツ式、ソーラー発電のエコ・ドライブ、電波時計など、電子技術を巧みに、そして先進的に取り込んでいく姿勢が印象に残る。
一方で、1,300m防水への対応、チタン素材への挑戦など、チャレンジしている内容も幅広い。天体の動きを示す「コスモサイン」の緻密なダイヤルは今の製品にも受け継がれているほか、バーゼルワールドで展示したコンセプトモデルは息を呑む精巧な仕上がり。シチズンの100年に及ぶユニークで芳醇な、“クセ強”な歴史をたっぷりと楽しめた。
CITIZEN CALNDER(1952)
CITIZEN CHRONOMETER(1962)
AUTO DATER SEVEN(1965)
X-8(1966)
RECORD MASTER(1967)
CHRONOMASTER(1967)
X-8 クロノマスター(1969)
CHRONOGRAPH CHALLENGE TIMER(1972)
CHRONOGRAPH CHALLENGE TIMER(1973)
DIGITAL CALCULATOR(1977)
DIGI-ANA(1978)
ANA-DIGI PW(1981)
ANA-DIGI TEMP(1982)
復刻モデル
PROFESSIONAL DIVER 1300m(1982)
SOUNDWITCH(1984)
VOICE MEMO(1984)
SPORTE WIND JACK(1985)
PROMASTER AQUALAND DEPTH METER(1985)
CHRONOGRAPH ALARM(1985)
COSMOSIGN(1986)
ATTESA(1987)
近年のATTESAの変遷
PROMASTER CHRONO RACING(1993)
Radio-Controlled(1993)
The CITIZEN(1995)
INDEPENDENT LONDON TECHNO SERIES(1997)
PROMASTER DIVER 200m(1997)
INDEPENDENT TECHNO PURITY(1999)
i:VIRT Caliber W700(2006)
Eco-Drive DOME(2010 コンセプトモデル)
SATELLITE WAVE H990(2011)
Eco-Drive EYES(2013 コンセプトモデル)
Eco-Drive One(2016)
PROMASTER PROFESSIONAL DIVER 1000m(2017)