死亡職員が1.4億円横領か 沼津夜間救急センター、1人で長年経理を担当 協会把握してない口座に入金
会見で謝罪した加藤公孝理事長(中)ら
静岡県東部6市町などによる「沼津夜間救急医療センター」(沼津市日の出町)を管理する沼津夜間救急医療対策協会は26日、同市内で会見し、同センターの1億4000万円が使途不明になっていたと明らかにした。長年経理を担当していた60代の男性職員=今月中旬に死亡=が横領していた疑いがあるとして、協会が県警に相談している。
協会によると、男性職員は診療報酬の経理事務を長年1人で担当していた。男性職員が亡くなった後、郵便物の中から振込通知書が見つかり、協会名義で金融機関の口座が作られていたことが分かった。交通事故や労働災害で保険会社などが負担する医療費が振り込まれていたが、他の職員はこの口座の存在を把握していなかった。
口座は2008年に開設され、振り込み記録を確認したところ、14~24年に計1億4千万円の入金があった。14年以前の分も含めれば、金額はさらに膨らむ可能性がある。協会が口座を確認したときに残高はゼロだった。
会見で協会の柴田章義事務長は「死亡した職員が全面的に経理事務を担っていて、1人の職員に任せた結果、口座開設を把握できず適切なチェックが機能しなかった」と釈明した。加藤公孝理事長は「協会の責任者として責任を痛感している」と謝罪した。
使途不明金の存在が分かった沼津夜間救急医療センター=いずれも沼津市で
同センターは1977年開設。内科と小児科、外科があり、夜間の初期救急医療などを担っている。沼津、三島、裾野の3市と長泉、函南、清水の3町、地元医師会などでつくる協会が指定管理者となり、各市町が運営費を分担している。(今坂直暉)
【関連記事】"沼津市議「市有地一部を貸し出した」発言の証拠提出求める 山下富美子市議の「不当に利益」巡る裁判、口頭弁論で市側に
【関連記事】"水道料金がハネ上がる!? 経営維持には平均1.5倍へ値上げ必要とEYジャパン試算 料金格差「20倍」もあり得る
【関連記事】"津波から観光客を守る! 伊豆・土肥地区、新避難複合施設へ誘導訓練 「地震発生6分以内」200人が検証