「子煩悩だった」一家に何が、驚きと悲しみ広がる 品川4人死亡
現場から離れる捜査員らと警察車両=2024年5月23日午後6時23分、東京都品川区、小宮健撮影
東京都品川区の住宅で23日、幼い子ども3人と母親が心肺停止で見つかり、死亡が確認された。同じ場所に倒れていた父親の40代男性は、のどにやけどを負うなどして病院に搬送された。死亡した4人には胸や首に切り傷や刺し傷があり、現場からは凶器とみられる刃物が見つかった。室内は施錠されており、警視庁は殺人事件とみて捜査を始めた。
現場から離れる警察車両=2024年5月23日午後6時23分、東京都品川区、小宮健撮影
警視庁によると、亡くなったのは母親の高波冬美さん(37)、高波さんの長女で小学1年生の後藤鈴さん(6)、いずれも保育園児で次女の後藤玲ちゃん(3)、長男の後藤信ちゃん(2)。両親は今月に離婚し、5人はその後も一緒に暮らしていたという。
にぎわう商店街近くの住宅で起きた突然の事件に、周辺の住民からは驚きと悲しみの声が広がった。何があったのか。
近くに住む50代男性は、両親が自転車に子どもを乗せ、5人で公園に行き遊ぶ姿を見かけるなど、仲の良い家族という印象だった。家族を最後に見たのは事件2日前の朝。冬美さんと鈴さんが家の前におり、男性が鈴さんに「(小学校で)何ができるようになった」と聞くと、鈴さんは「漢字を書けるようになった」と笑顔で話したという。男性は「上の子はお話し上手で、家族も仲がよさそうだったのに」と肩を落とした。
一方で、鈴さんの同級生によると、鈴さんは学校を休みがちで、事件当日も休んでいたという。「あまり学校には来ていなかったけど、クラスの子とボードゲームで遊んでいたのは見たことがある」と話した。
夫婦を昔からよく知るという女性によると、父親は子煩悩で、鈴さんを連れて外出する姿をよく見たという。冬美さんも「普通のお母さん」という印象だったという。女性は「子どもが生まれる前は夫婦でバイクを2人乗りして出かける姿をよく見て、仲がいいカップルだと思った。その後はベビーカーで子どもを連れる姿もよく見た」と話した。