広島城天守の木造再建を検討 「木造天守が実現すれば世界に誇れる史跡に」
広島城の天守を木造で復元しようという構想が進む中、23日、広島市の検討会議が開かれ学識経験者などが技術的な課題などについて意見を交わしました。
1592年頃に築造されその後、史跡に指定された広島城は原爆で倒壊した後、鉄筋コンクリート造りで1958年に再建されました。
現在は、天守などの劣化が進み震度6以上の地震に耐えられないことが分かっています。
会議では、広島市側が天守の解体や復元工事を行う場合でも、文化財の保存を優先し、築造当初のまま残っている石垣など史跡としての価値を持つ部分を傷めないなどの基本方針を示しました。
これを踏まえ、委員らは石垣などを守りながら工事を行う技術的な課題について意見を交わしました。
この中で、会議の座長をつとめる広島大学の三浦正幸名誉教授は「木造天守が実現すれば世界に誇れるものになる」と会議の意義を強調しました。
検討会議は、来年度にかけて行われ、適切な耐震工事の方法とともに広島城天守の木造での復元についても慎重に探る方針です。