福井県内でクマの目撃相次ぐ 4月27件で過去最多、5月は57件 多くの登山客でにぎわう文殊山でも
福井県内でクマの目撃相次ぐ 4月27件で過去最多、5月は57件 多くの登山客でにぎわう文殊山でも
県内でクマの目撃が相次いでいます。県がまとめた今年度のクマの出没件数は、4月には27件でしたが、5月は23日までに57件と倍増しています。5月は例年並みということですが、4月の出没件数は、20年前に調査を始めて以来最多となっています。早朝や夕方、福井市、あわら市、大野市の道路や田んぼでも目撃されています。そんな中、21日の日中、福井市と鯖江市にまたがり多くの登山客でにぎわう文殊山でクマが目撃されました。目撃された場所や登山客を取材しました。
福井市と鯖江市の間にそびえる「文殊山」、標高365mで6つの登山コースがあります。そのうち、北陸新幹線の高架付近にある「二上コース」は、福井市街地に近いこともあり人気のコースです。クマが目撃されたのはこのコースで、23日も朝から多くの登山客が訪れました。
登っていた登山客は、「怖い部分はあるが、これだけ人がいれば大丈夫かな。昔友人が朝早くに見たことがあると…、昼間はないですね」「新幹線ができてトンネルがあるので騒音がひどいと思うが、でも出てくる。やっぱり恐ろしい。若くないから逃げられない」などと話します。
登山道の入り口には、クマの目撃情報が掲示され、登山客に注意を促していました。
目撃されたのは21日の午後1時45分ごろで、登山口から10分ほど登ったあたりです。
福井テレビ 山田千代記者:
「クマが目撃された場所はこのあたりでしょうか。登山道も広く、視界も開けていると感じます。クマが表れた場合、かなり目立つ印象です」
ここまで登ってきた登山客に聞くと、「毎日登る」「(クマは)一回見た。こっち向いて上がってこなかった。向こうへ上がった行ったからなんとも思わなかった」「(クマがこの辺で目撃されたことは)聞きました。その日朝登っていた。たまにそこで見る。前見たときは小さな子熊だった。ここで何度がみている。クマの方が知らんぷりしている。そのまま行ってしまう」と意外に平気な様子で話します。
トレーニングのために登る人。日課として登る人など多くの登山客が行きかう文殊山、みなさんにクマ対策を聞きました。
登山客のクマ対策:
・「ラジオ。一人だったらずっとつけている」
・「音を出していること。ラジオをつけている。それが一番いいらしい」
・「鈴だけはつけている」
・「二個つけている」
クマの出没傾向について、県自然環境課の担当者は、春から夏にかけての出没は
増加傾向が続いている。原因としては、中山間地の人口減少の影響で、人が山を利用しなくなったり耕作放棄地が増えたりしたことで、クマの生息域が人里に広がっていることが考えられる。狩猟者が減っていることで、クマが人を怖がらなくなったことで人の目につくようになったのではないかとしています。
クマから身を守る対策をまとめました。
▼クマ鈴、ラジオを持参して人間の存在を知らせる
▼出会ってしまったら騒がず、走らず後退する。攻撃が避けられないときは地面にふせ、両手で首の後ろをガードして頭と首を守る。
▼人里にクマを居つかせない。山際の耕作放棄地を管理しクマが隠れる場所をなくす。
▼エサになるもの、生ごみやハチの巣、オイルなどを家の近くに放置しない。
特にこの時期はクマの子育てシーズン、子グマの近くには親グマがいて、子供を守ろうと狂暴化したいへん危険だといいます。
県内のクマの出没情報は「福井県クマ情報」というHPで確認できます。