トランプ氏に追い風 候補争いから撤退のヘイリー氏が投票を公言
講演するヘイリー元米国連大使=首都ワシントンのハドソン研究所で5月22日、AP
米大統領選に向けた共和党候補指名争いから3月に撤退したニッキー・ヘイリー元国連大使(52)が22日、首都ワシントンで開かれたイベントで、11月の本選挙では同党のドナルド・トランプ前大統領(77)に投票する考えを示した。党穏健派や女性などへの支持拡大を課題とするトランプ氏にとって、追い風になりそうだ。
ヘイリー氏が公の場で発言したのは、撤退後初めて。4月に加入した保守系シンクタンク「ハドソン研究所」のイベントで講演した後、「バイデン大統領とトランプ氏のどちらがホワイトハウスで良い仕事をするか」と質問されて答えた。
ヘイリー氏は、自身が「有権者」として重要視する点として、同盟国を支援する▽敵に責任を負わせる▽国境を守る▽資本主義と自由を支持する▽(国の)借金を減らす必要があることを理解している――を列挙。「トランプ氏はこれらの政策において完璧ではなかった」とした上で、「バイデン氏(の施政)は大惨事だった。だから私はトランプ氏に投票する」と述べた。
ただし、トランプ氏に対しては「(党候補指名争いの予備選で)私に投票し、支持し続けてくれている何百万人もの人々に手を差し伸べるのが賢明だ」とくぎを刺し、「私は彼がそうすることを純粋に望んでいる」と付け加えた。
ヘイリー氏はこれまで、撤退後もトランプ氏への支持を表明していなかった。各州の予備選では、党内の「反トランプ票」の受け皿にもなっており、2割前後の得票率を記録する州も相次いでいた。共和党穏健派や大口献金者らの支持を受けるヘイリー氏が、トランプ氏を支持するのか、支持する場合はそれをいつ公表するのかが注目されていた。【ワシントン西田進一郎】