阪神・岡田彰布監督が予言 佐藤輝弾「出るよ」
室内練習場に向かう阪神・佐藤輝明 =神宮球場(撮影・根本成)
俺には見える! 阪神・岡田彰布監督(66)が28日、佐藤輝明内野手(25)の一発を予言した。「ホームランなんて出るよ」-。自己ワーストの109打席ノーアーチ中だが、打席での内容を見ると、アーチ量産のニオイがするという。佐藤輝は今季3本塁打のうち神宮で2発。輝く瞬間は、まもなくやってくる!?
大粒の雨が降り注ぐ神宮の室内練習場で、岡田監督が予言した。佐藤輝はトンネルの出口に近づいている。アーチはまもなく出る。東都の杜に独特の放物線は描かれる。
「ホームランなんて出るよ。出るようになったら。これから一本も出んわけない。まだ(シーズン)半分もあるのに」
かわいい子に旅をさせてきた。5月14日の中日戦(豊橋)で失策を犯せば15日に出場選手登録を抹消させ、無期限で2軍調整。2軍戦で結果を出す佐藤輝に対しても「全打席ホームラン打ったら、価値あるけど」とハードルをグイグイ上げた。今月7日に1軍へと呼び戻してもベンチスタートさせるなど、厳しく接したのはボール球を振ってしまう悪癖が直っていないから。気がつけば佐藤輝は4月21日の中日戦(甲子園)で松葉から3号3ランを放ったのを最後に109打席ノーアーチとなったが、指揮官は自己ワースト記録はまもなく終わりを迎えると言い切ったわけだ。
阪神・岡田彰布監督 =神宮球場(撮影・根本成)
「あの打ち方できるんやったら、最初からやってくれと思う。もっと長打が出るわ」
トンネルの出口が見えたのは27日の中日戦(甲子園)。七回無死二、三塁で佐藤輝はカウント2-2から左腕・斎藤の外角直球にバットを合わせて、左前打を放った。白球は広い三遊間を抜けて2点打。「あれができるんやったらボール球を振るなよな。カウントがもっとようなるんやから。ほんなら長打が増えるよ」。ボール球を見逃し、打者有利のカウントに持ち込めば狙い球をしぼって強振できる。やっと兆しが出てきた。
佐藤輝は「(神宮は)狭いので頑張ります」と短い言葉に気合を入れた。今季の3本塁打のうち、2本は神宮でマーク。球場別打率を見ても今季こそ・154だが、過去3年間は・305と相性はいい。プロ初本塁打の舞台でもあった。
「ヒット、ヒットを続けていって点を入れていくと、いずれホームランを打てるわけやから」と指揮官。球界屈指のパワーを兼ね備えるからこそ力む必要はない。虎党が待ち望む一発。ついに、その瞬間がやってくる。(原田遼太郎)