北越コーポ社長の解任案が否決 経営側に軍配 支持が過半数届かず
北越コーポレーションの定時株主総会の会場=27日、新潟県長岡市(黄金崎元撮影)
製紙大手の北越コーポレーションの定時株主総会が27日、新潟県長岡市で開かれ、香港の投資ファンドが提案していた岸本晢夫社長の解任案は否決された。大株主も解任案に賛同しており、議決権ベースで約4割を占め、賛否の行方が焦点となっていたが、経営側に軍配が上がった。アクティビスト(物言う株主)による解任案への支持は過半数に届かなかった。
北越株を約20%保有する投資ファンド「オアシス・マネジメント」は、社長在任が16年にわたる岸本氏のワンマン経営を批判。大王製紙との経営統合を求めていたが、岸本氏が否定したため、解任案を提出した。
グループで北越株の約21%を握る大王海運も、北越の買収防衛策などへの不満を理由にオアシスの解任案に賛同していた。
大王海運は大王製紙創業家の井川俊高氏が実質支配している。北越は平成24年に大王製紙の経営陣と対立した創業家から同社の株式を買い取った。北越株を買い増す大王海運に対し、北越は大王製紙の再支配が目的と主張していた。