健診中に職員が受診者を盗撮 福井市医師会
元職員の盗撮について謝罪する福井市医師会の笠原善仁会長(左から3人目)ら=2024年6月28日午後1時2分、福井市、土井良典撮影
福井市医師会は28日、同会の男性元職員(25)が、担当する住民健診センターの健診中に、私有のスマートフォンで受診者の様子を盗撮したと発表した。被害者から県警に被害届が出ており、業務の信頼を失墜させたとして、21日付で懲戒解雇処分としたという。
福井市医師会が入るビル=2024年6月28日、福井市、土井良典撮影
同会の笠原善仁会長は福井市内で会見し、「心から深くおわびする」と謝罪した。
同会によると、元職員は、主に健診用荷物の搬送や受付をしており、健診中についたての間からスマホを出して受診者の動画を撮ったという。「被害者の同意が得られていない」として、発生の日時や場所、被害者の性別、年齢は非公表とした。
県警からの問い合わせで11日に事案を把握し、13日に本人に聞き取ったところ、盗撮を認めたという。医師会は被害者に直接謝罪したとしている。
元職員は勤務6年目でセンターの業務に従事。真面目な勤務態度で問題行動はこれまでなかったという。盗撮の常習性や、撮影した内容が外部に流出したかなどはわかっていない。
センターは県内の事業所や学校の健診の一部を担っている。医師会は「健診時の態勢の不備が大きな原因」として、撮影機器の健診場所への持ち込み禁止や、健診時に職員が受診者と1対1にならないようにするなどの再発防止策を徹底するとした。また今後、一定期間、センターの健診業務を見合わせるという。(土井良典)