丹下健三氏の「船の体育館」、解体10億円見込み 香川県教委が試算
特徴的な屋根の旧香川県立体育館=2021年6月10日、高松市福岡町2丁目、紙谷あかり撮影
特徴的な屋根の形から「船の体育館」として知られる旧香川県立体育館の解体について、県教育委員会は10億円程度の費用を見込んでいることを明らかにした。
県議会本会議で24日、淀谷圭三郎教育長が宮本欣貞県議(自民党県政会)の代表質問に答えた。
建築家の丹下健三(1913~2005)が設計し、1964年に完成した旧県立体育館は、老朽化に対応する耐震改修のめどが立たず、2014年に閉館。県教委は利活用方法の検討も進めたが、23年2月に解体方針を定めた。
県教委によると、5月末までに委託して行った解体工事の設計業務から、解体費用は現段階で10億円程度を見込んでいるという。
県教委は解体と同時に、3D測量や動画撮影など、建物の記録作業も行う方針で、合わせて20カ月程度の工期を予定している。工事の開始時期は未定。
淀谷教育長は答弁で「(体育館の)学術的価値を保存し、県民に理解いただけるよう、多彩な記録の作成に取り組みたい」と述べた。(山田健悟)