【全米女子プロ】山下美夢有、2打差2位で逆転でのパリ五輪出場確実「もっと上位で戦えるように」
<米女子ゴルフツアー:全米女子プロ選手権>◇最終日◇23日(日本時間24日)◇米ワシントン州サマミシュ、サハリーCC(6731ヤード、パー72)◇賞金総額1040万ドル(約16億1000万円)優勝156万ドル(2億4200万円)
首位と2打差の2位から、メジャーで初の最終日最終組を回った山下美夢有(22=加賀電子)は、日本勢トップの2位で4日間を終えた。3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73と1つ落とし、通算4アンダー、284。7アンダーで優勝した梁熙英(韓国)には、3打及ばなかった。樋口久子、渋野日向子、笹生優花に続く、日本人女子4人目のメジャー優勝はならなかったが、逆転でのパリ五輪の出場権獲得は確実となった。
今大会終了後、24日付の世界ランキングにもとづく五輪ランキングでパリ五輪に出場できる全60人が決まるが、山下は前週まで、世界ランキング22位で、日本勢としては4番手の圏外だった。圏内の世界20位古江彩佳が今大会は2オーバーの19位、世界21位畑岡奈紗が今大会予選落ちで、世界6位の笹生優花に次ぐ、日本勢2番手に浮上することが確実となった。
2番パー5でバーディーを先行させた。第3打を1・5メートルにつけて伸ばした。5番パー3では、ティーショットを4メートル足らずのチャンスにつけた。だが直前に同組の梁がチップインで、ハートレッジ(米国)がグリーン外からパターで、そろってバーディー奪取。観客が大盛り上がりの雰囲気の中、3人目のバーディートライで伸ばせなかった。続く6番パー5も、2メートル余りのバーディーパットがカップ左を通過し、伸ばせなかった。
すると最難関の8番パー4で、痛恨のダブルボギーをたたいた。ティーショットをバンカーの縁のラフに入れ、第2打は両足をバンカーに入れた状態で、野球のスイングのように、ほぼ真横に振る苦しい体勢。フェアウエーに戻すのが精いっぱいだった。立て直したかった第3打は、グリーン手前のバンカーにつかまった。第4打でグリーンに乗せたが寄せきれず、2パットを要して、今大会初のダブルボギーとなった。1つ落として後半に突入した。
嫌な流れになりかけた後半、最初にスコアが動いたのは11番パー5のバーディーだった。グリーン手前ラフからの第3打を3・5メートルにつけると、バーディーパットを沈めた。直後の12番、15番をボギーとしたが、17番パー3では、ホールインワンを予感させる1打を放つなど、持ち味の正確なショットは崩れなかった。すると最終18番パー5はバーディーで締めた。
ホールアウト後は「最終日最終組で、すごいギャラリーの方がいて、すごい緊張したんですけど、すごい楽しく1日プレーできました。ショットは今週、すごい安定していたので、そこでショートゲームで、うまくリカバリーできたかなと思います」と、笑顔を振りまいた。同組の梁が優勝、メジャー女王が誕生した瞬間を間近で見ることもできた。「優勝を見ることができて、私自身も、もっともっと上位で戦えるように、これからも頑張りたいなと思いました」と、残るメジャー2戦と五輪に向けての刺激も受けた。メジャーでの自己最高位を更新する2位。22、23年の国内女子ツアー年間女王が、世界最高峰の舞台でも存在感を見せつけた。
全米女子プロ選手権最終日 9番グリーンにアプローチショットを打つ山下美夢有(AP)