海藻アカモク食べると善玉菌割合増加「3週間摂取で驚きの変化」 腸内環境改善、便秘解消や体重減った人も…福井県立大特命教授が発表
アカモクを摂取した人に腸内環境改善がみられたことを報告する村上特命教授=6月18日、福井県永平寺町の県立大永平寺キャンパス
海藻のアカモク
福井県立大学看護福祉学部の村上茂特命教授(食品機能学)は、海藻のアカモクを一定期間食べた人たちに腸内環境の改善がみられたとの研究結果を発表した。腸内のいわゆる「善玉菌」の割合が増え、便通改善といった健康増進効果があったとし、「アカモクを使った商品開発や観光など地域活性化につなげたい」と話した。
村上特命教授は2019年から、ワカメの生育を妨げるなど“厄介者”とされるアカモクの有効活用を目指し研究を続けている。既にマウスを使った実験では腸内環境改善効果を確認しており、今回は富山県立大の研究者と共同で人体での検証を試みた。
福井県内の9~92歳の男女約80人が協力。1日当たりゆでたアカモク30~50グラム(小鉢1杯程度)を3週間食べ続けてもらった。調査前後で便を採取し、腸内細菌の状態を調べた。
やせやすい腸内環境をつくるとされる「善玉菌」と、太りやすくなる「悪玉菌」の比率をみると、摂取後は善玉菌の割合が全体的に増加し「少量を3週間摂取しただけで、これだけ変化したのは驚き」と村上特命教授。摂取後の体調変化に関するアンケート(複数回答)では18人が排便回数が増加したとし、6人は便秘が解消したと答え、3人は1~2キロ体重が減ったとした。
6月18日に永平寺町の県立大永平寺キャンパスで記者発表会があり、村上特命教授は「アカモクには(善玉菌の栄養となる)水溶性食物繊維が多く含まれており、その結果、腸内環境が改善したのでは」と説明。地域活性化に向けた構想の一つとして「アカモクなど腸内環境の改善に科学的根拠のある食材を使った料理を提供したらどうか」などと述べた。