「200人もの客が一度に」「一夜の楽しみのために来ている女性客もいるので」...《日本一のハプバー》「眠れる森の美女」元オーナーが明かす「絶対ルール」
黙っていても客が来る
都内のハプニングバーを転々としていた廣瀬理基氏(42)が渋谷の「眠れる森の美女」のオーナーに就任したのは20年の頃だった。英語読みの頭文字を取ってSBと称される同店は業界でも押しも押されもせぬ人気店として知られていたという。
「眠れる森の美女」があった渋谷で取材に応じる廣瀬氏
前編記事『「カウンターの上でいきなり男女が...」《日本一のハプバー》「眠れる森の美女」元オーナーが明かす業界の天下を取った「ヤバすぎる裏話」』につづき、「眠れる森の美女」がなぜ日本一となったのか。そして一夜にして渋谷から姿を消した摘発の一部始終をお伝えする。(以下、「」は廣瀬氏)
「SBは黙っていてもお客さんが来るほど知名度は抜群でした。なので僕らが行う仕事はセキュリティ面、つまりはお店の治安を守ることでした。変なお客さんがいればすぐに対応しますし、トラブルになりそうな種は排除していく。スタッフたちは常に目を光らせているような状況でした」
同店の入会金は男性が7000円、女性は2000円。閉業したラブホテルを買い取ったという店内は地下1階、地上2階建て。他店にはないこの広さこそ日本一と呼ばれる理由の1つだ。
「ホテルの内装を全面改装した店内は1階が受付とロッカールーム、2階がプレイルームで地下がクラブのようなフロアが広がっているという作りでした」
さらに徹底したのが女性客を守る為の厳格な店のルールだ。
200人以上の客が…
「店内でハプる(性行為をする)場合は必ずスタッフが双方に同意の確認を行った上でコンドームの着用を義務付けていました。中には途中でしれっと外してしまう男性もいるので、行為の最中でも見回りをしてゴムがきちんと着用されているかのチェックは行っていました。
もし、ゴムなしの行為を見つけた場合は男性を出入り禁止にした上で、必ず示談書を作成。女性の納得する内容でサインをしてもらっていました。あとは一夜の楽しみに来ている女性客もいるので、連絡先の交換は禁止です」
閑古鳥が鳴いていた時代とは打って変わって盛況を極めたハプニング業界。特にSBは多い時に200人以上もの客で溢れ返っていたという。
なぜアングラと位置づけられていたハプニング業界に客が押し寄せていたのか。廣瀬氏いわく、その要因となったのは皮肉にも警察による摘発だったという。
「すでにその頃には複数の同業店が警察による摘発を受けていました。その様子が報道される度に世間にハプニングバーという名前が世間に浸透していった。摘発劇が起これば、比例するようにお客さんが増えていく感覚はありました。今思い返せば、僕がいた時代がちょうどアングラのハプニングバーが大衆化していったターニングポイントだったと思います」
警察が取り締まるほどに知名度を上げていったハプニング業界。しかし、その隆盛は思わぬ敵の出現によって崩れ去っていく。
突然の摘発劇
「僕がオーナーになった同時期ぐらいから流行したのがコロナです。性感染の危険が伴うハプニングバーという業種はひとたまりもなかった。お客さんの数は日に日に減って、緊急事態宣言が出た時に、いの一番に臨時閉店。その後はとにかく店を存続させる為に耐えるしかなかったです」
緊急事態宣言が明けても客足はなかなか戻らず、起死回生の策として打ち出したのが原点回帰となる「過激さ勝負」だった。
「イベントを毎週のように打って、どうにかしてお客さんに戻ってきてもらうように盛り上げました。ちょうど摘発があった日もお客さん同士が水鉄砲でローションを撃ち合うイベントの真っ最中で、フロアには80人ほどが集まっていました」
当日、1階ブースで店の防犯カメラを眺めていたという廣瀬氏。警視庁による摘発の瞬間をこう振り返る。
「防犯カメラに受付をせずにお店に入ろうとする男女のカップルがいたんです。てっきり一見さんだと思って『ダメですよ』と声をかけたら、突然羽交い絞めにされました。当初はタタキ(強盗)と勘違いして暴れていたんですが、2人は『警察だ!』と叫ぶので、今度は『だったら令状を見せろ!』の押し問答になりました」
現在は新たなBARを
両者の言い争いを横目に店内になだれ込んできたのが、待機していた数十人にも及ぶ捜査員だった。突入した捜査員たちはフロアにいる男女に向かい「警察です。動かないで!」と咆哮。
摘発後の廣瀬氏(本人のXより)
その後、警視庁は廣瀬氏を合わせた関係者10人を公然わいせつ幇助の容疑で逮捕に至ったのである。廣瀬氏は略式起訴され、15万円の罰金刑の処分が下された。
こうして「眠れる森の美女」は突如、激しく揺り起こされるように警視庁の摘発によって閉店となった。
「ずっとこの業界で生きてきたので、摘発されてすぐの頃は大事なものを失くしたような寂しさばかりが残っていました。でも今は新しい目標ができたので、吹っ切れています」
廣瀬氏は22年、新宿5丁目にBAR「美女と野獣」をオープンさせ、現在はオーナーとして店の営業に邁進している。
「元々、人と接するのは大好きだったので飲食店は天職です。今の店では健全に、でも色んな性的趣向の人が集まれるお店作りを目指しています。かつてのハプニングバーのお客さんも遊びに来てくれたりします。お客さん同士の繋がりが地域の活性に少しでも貢献できたら嬉しいです」
飲食業を行う一方で、今最も興味を持っているのが政治の世界だという。
「やっぱり本気で世の中を変えるのは政治の世界だと痛感しました。今は既得権益が多すぎます。どうやったらもっと自由な世の中になれるのかを知り合いの議員さんたちに質問したりして、猛勉強中です。都知事選の動向にも注目しています」
長い眠りから覚めた廣瀬氏の挑戦はまだまだ続く。
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