ひろゆきを「一瞬で黙らせる」たった1つの方法
Photo:JIJI
西村ゆかさんの著書『転んで起きて 毒親 夫婦 お金 仕事 夢 の答え』(徳間書店)が反響を呼んでいる。ギャンブル依存で借金漬けの両親、摂食障害の過去、そして夫・ひろゆきさんとの生活など、七転び八起きの半生を赤裸々に綴った自伝的エッセイだ。「論破王」は家庭内でも論破王なの?夫婦ゲンカした時の対処は? インタビューの第4回は、謎に包まれた夫婦の日常に迫る。(聞き手/ダイヤモンド・ライフ編集部副編集長 神庭亮介)
「家庭内論破」は百害あって一利なし
――著書の『転んで起きて』に「家庭内での論破は、百害あって一利なし」と書かれています。ひろゆきさんはメディアで「論破王」と呼ばれていますが、家庭内ではどんな感じなのでしょうか。
「論破王と言われてるけど、自分で名乗ったことはない」って本人は言ってます。私も「おいら論破王だから」とか言ってるのを聞いたことがないし。
家でも「論破してやろう」みたいなことには、そんなにならないです。ただ、ヒートアップすると若干、早口になるんですよ。最近は特に、その傾向が激しくなってますね。
メディアが「論破王」的なキャラクターを求めて構成をつくるじゃないですか。そういうのに一応乗っかってあげてるうちに、多分そのキャラが段々できあがってきちゃって。
ウチで何か意見の相違が出た時に、早口になって畳みかける、みたいなことが若干増えてきたんですよ。
ひろゆきがウザい時の撃退法
Photo by Ryosuke Kamba
――ちょっとウザいですね。
うん。ウザいなって思って。その度に私が「えっ、何? 今、私のこと論破しようとしてる? あのね、家で『撮れ高』とかないから。カメラ回ってるところでやってくんない?」って言ってます。
そうすると「うぜー」って顔をして、配信部屋に去っていきます。
――撃退法だ。
はい。「カメラないところでやってんじゃないよ!」って(笑)
――夫婦ゲンカのほとんどを、口論ではなくテキスト上でやっているという話も面白かったです。
テキストだと、ヒートアップしても読むタイミングを選べるので。
対面で私にワーッと言われると、ひろゆき君も耐えきれない感じになるけど、テキストだったら読みたいタイミングで読める。そこで言葉尻をとらえるようなこともないから、冷静に話し合えるし、問題点も浮かび上がると言いますか。
だから、解決したいことは大体テキストで送ってます。家庭内で「ここはもっと、こうした方がいいと思うんだけど」みたいなことはテキストで送った方が全然いいですね。
◇◇◇
「あなたはそう思うのね。でも、私の考えはこうだから、この部分は受け入れてほしい」
そういうやりとりの中でひろゆき君が行いをあらためてくれること(めったにない)もあれば「それはできない」と平行線で終わってしまうこと(だいぶ多い)もあるけれど、考え方や感じ方が違うということを、お互いに言葉で確認して、静かに伝え合うことができるのはとても良いことだと思うようになった。
さらに、このファイトスタイルのメリットは、対面で話しているときは、ケンカをしない、できるだけ仲良くするという暗黙の了解が生まれたことだと思う。
(『転んで起きて 毒親 夫婦 お金 仕事 夢 の答え』より)
「夫好き族」に感心
西村ゆか(にしむら・ゆか) 1978年、東京都生まれ。Webディレクター。インターキュー株式会社(現GMOインターネット株式会社)、ヤフー株式会社を経て独立。現在はフランス在住。著書に『転んで起きて 毒親 夫婦 お金 仕事 夢 の答え』や『だんな様はひろゆき』(原作・西村ゆか/漫画・wako)がある。
――夫婦ゲンカがテキストな代わりに、一緒にいる時は逆に仲良くしようという心理が働くのもいいですね。もう1つ、本の中で面白かったのが、ゆかさんの友人の「夫好き族」の話です。世の中では、夫の愚痴が止まらないという女性も少なくないように思いますが。
ですよね。でも、私の友達は自分で自分のことを「夫好き族だから」と言っていて。
「イヤなことがあってムカついたり、ケンカしたりしないの?」って聞いたら、「しないよ。他にいいところがあるんだもん」って。「あ~、よくできた嫁や」と思ったんですけど。
――ゆかさん自身は「夫好き族」ではないんですか。
……努力してます。
――「夫好き族」であろうとしている?
はい。好きですよ。好きですけど「好き族です」って言えるほど心が広くない。毎回毎回「でも、彼にもいいところがあるし」とは、なかなか思えないです。
なので、努力はしてます(30秒ぶり2回目)。
ひろゆきが見せた意外な「優しさ」
Photo by Tamon Matsuzono
――ひろゆきさんがフランスの語学学校で「うちの彼女をよろしくお願いします」とペコペコお辞儀していた、というエピソードは本当ですか? メディアでのイメージからすると、かなりギャップがありますね。
そうなんです。友達からそのことを教えられた時に「ああ、気付かなかったけど、確かにいいところもあるんだな」って思いました。
――『転んで起きて』について、ひろゆきさんは何と言っていましたか?
読んで、帯を書いてくれました。
《誰しも悲喜劇はあるけど、起きる人と、諦める人にわかれるようで》
私が親のこととか、親戚周りのトラブルも結構あからさまに書いているから「意外とレアなんじゃないか」みたいなことを言ってましたね。
西村ゆか『 転んで起きて 毒親 夫婦 お金 仕事 夢 の答え 』(徳間書店)
ひろゆきさん&西村ゆかさんの結婚式の様子(本人提供)
ラブラブなツーショット(本人提供)