MBKがアリナミン製薬を買収、ブラックストーンは3年で売却
The Blackstone headquarters in New York, US, on Monday, Jan. 8, 2024. Blackstone Inc. released earnings figures on January 25.
(ブルームバーグ): アジア系投資ファンドのMBKパートナーズは3日、米投資会社ブラックストーン傘下のアリナミン製薬(東京都千代田区)を買収すると発表した。買収金額は非公表。
アリナミン製薬は、もともと武田薬品工業の一般医薬品(大衆薬)を手掛ける完全子会社で、ブラックストーンが2021年に約2420億円で買収した。ブラックストーンは売却検討を進めてきており、MBKのほか、スウェーデンのEQT、欧州系のCVCキャピタル・パートナーズなどのプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドが関心を寄せていた。評価額は約3000億円となる可能性が指摘されていた。
企業の非中核事業の売却加速や事業承継ニーズなどで日本企業の合併・買収(M&A)は活発化している。米カーライル・グループの山田和広日本共同代表はこうした状況を「二度とないほどのブーム」と表現。ブラックストーンは6月に約2750億円でインフォコム買収を発表しており、今回は大型の売却案件の発表となった。
発表資料などによると、MBKは歯科医療関連などヘルスケア事業へのこれまでの投資経験を生かし、国内営業の強化や業者を通さない直販(D2C)事業、海外事業の拡大を支援していくとしている。ブラックストーンは発表で、アリナミン製薬を売却後、一部再出資し、引き続き企業価値向上に協力するとしている。
アリナミン製薬はブラックストーンの傘下入り以降、22年に「茶のしずく」ブランドでせっけんやスキンケア製品を展開する悠香ホールディングスを買収したほか、24年4月には武田薬の子会社でアリナミンブランド製品の一部などの製造を受託していた日本製薬を買収している。
アリナミン製薬の決算公告によると、23年3月期の売上高は639億円と買収時の2年前(533億円)に比べて20%増えた。同社の主力商品にはビタミン剤の「アリナミン」や風邪薬の「ベンザブロック」などがある。
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