「NISA懐疑派」だった東大生が「オルカン月2万円」購入!心変わりのウラにある元国税職員の教えとは?
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元国税局職員であり、現役ファイナンシャルプランナー&お笑い芸人のさんきゅう倉田さん。お金を貯めるには「面倒」が敵だと言います。自然に無理なく貯まっていくコツとは。(お笑い芸人・FP さんきゅう倉田)
「面倒」は貯金の敵!
お金は「システム」で貯まる
貯金のために何かするのは面倒です。
人は1万円の給付金がもらえるとしても、ちょっと手続きが面倒だと諦めてしまいます。貯金も、「面倒だな」と思ってしまうような作業があると長続きしません。
お金を貯めたいならシステムやルールが必要です。
ぼくが大学を卒業して東京国税局に入ってすぐのころ、給与振込先の銀行口座を登録する機会がありました。
登録できる口座は二つ。副口座には予め「設定した金額」が、主口座には毎月の給与から「設定した金額」を引いた残りが振り込まれます。
誰かの助言を受けたり、書籍から情報を得たりしたことはありませんでしたが、直感的な判断で、口座を二つ登録し副口座を貯金用とすることに決めました。
それから、退職して芸人になるまでの2年1カ月、副口座のお金には一切手をつけず、貯金は勝手に増えていきました。
毎月の給与から一部を下ろして別の口座に移すのは面倒です。面倒は、「今月は頑張ったから貯金しなくていいか」などといった甘えを誘引します。
また、給与のうち余った分だけ貯金に回す方法では、計画的にお金を貯めることはできません。
諦めたり甘えたりすることは、聡明で堅実な人間にもあることです。だから、ルールやシステムで自分を縛る。そうすることで貯金しやすくなります。
貯金の目標額があるのなら、それを何カ月で貯めるのか計画を立て、毎月の目標額を設定します。それを給与から引き、残りをその月の予算にします。
しかし、月の予算を与えられても、どのようなペースでお金を使えばいいか考えるのは簡単ではありません。だから、4で割って週の予算を設定します。
週の予算が分かっていれば、月曜日から始まって金曜日に「今週は余裕があるから今日は飲みに行こうかな」とか「あと1000円しかないから週末は家や公園でゆっくりしようかな」などと、予算に合わせて計画を立てることができます。
ぼくも芸人になって一人暮らしを始めた頃、週の予算を決めてその分だけ財布に入れて過ごしていました。決して豊かではなかったけれど、借金をすることなく健全な生活ができていたと思います。
19歳の東大生も
早々にNISAを始めるワケ
ぼくは現在、東京大学で学んでいますが、東大の学食でのんびり食事をしていると、NISAの話が聞こえてくることがあります。
自分が20歳くらいのころには投資なんて全く考えることがなかったけれど、今の学生にとって資産形成は一般的です。
ぼくの東大の友人が数カ月前に言っていました。
「世間ではNISA、NISA言っているけれど、俺は怪しいと思っている。何か裏があるに違いない」
物事には多くの場合メリットとデメリットがあり、メリットばかりが周知されている制度を無条件に信じることは危険です。彼の言いたいことはよく分かります。
しかし、これだけ著名な制度で、雑誌、テレビ、インターネット上でこれでもかこれでもかと紹介され、多くの賢い人々の目に晒されている。本当に“裏”があるのなら、とっくに表出しているんじゃないか。表出しないってことは、そんなものは存在しないと考えられないか。
ぼくの説明を聞いた友人は、2カ月後にこう言いました。
「NISA始めたよ。月2万円オールカントリーに投資してる」
彼が考えを改めたことに驚きはありませんが、大学生なのに月2万円の投資を始めたことには驚きました。
学業が忙しくアルバイトに充てられる時間も限られる東大生にとって、決して少ない金額ではないはずです。複利の効果を理解し、早ければ早い方がいいと考えての判断といえるでしょう。
社会人であっても、一人暮らしの方は貯金もままならず、NISAで投資をする余裕がないかもしれません。ではボーナスならどうでしょうか。
例えば、ボーナスの半分を6で割って積立NISAに充てるルールを作る。このように自分を律すれば、ストレスなく投資ができるでしょう。
ちょうど、夏のボーナスが振り込まれるタイミングだという方も多いはず。使い道もなく口座に残ったままになっているなら、ルールを決めて投資に回してみてもいいかもしれません。