ウクライナ「疲れ切ってはいない」 シュミハリ首相、防衛へ決意
ロシアのウクライナ侵攻開始からの2年を振り返り、支援に感謝するウクライナのシュミハリ首相=東京都千代田区の日本外国特派員協会で2024年2月20日午前9時53分、五十嵐朋子撮影
ウクライナのシュミハリ首相が20日、東京都内で記者会見した。欧米で懸念されるウクライナへの「支援疲れ」について問われると、シュミハリ氏は「世界中から団結して支えてもらっている」と強調した。
ウクライナへの支援を巡っては、欧州連合(EU)が4年間で500億ユーロ(約8兆1000億円)の支援で合意する一方、米国では支援予算案の審議が連邦下院議会で滞っている。この点についてシュミハリ氏は「米国も、EUや日本と同様にウクライナを支えてくれると信じている」と述べた。
ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で2年となる中、ウクライナでは徴兵逃れなど国民のえん戦ムードの広がりが指摘されている。シュミハリ氏は「2年間も全面戦争が続いていれば自然なことだ。毎日危険にさらされ、大人も子どもも死んでいくのだから」と話し、人々の「戦争疲れ」を認めた。だが「私たちは疲れ切ってしまったわけではない。私たちは国を守り続ける覚悟がある」と訴えた。
さらに「世界最大級の核保有国との戦争を軍事力で終わらせることは不可能だ。外交的な方法で終わらせたい」とも話した。ゼレンスキー大統領が提唱する、露軍の即時全面撤退などを含む10項目の和平案「平和の公式」に沿った形で侵攻を終わらせるよう「ロシアに圧力を与える」と力を込めた。
シュミハリ氏は19日、ウクライナ支援に向けた官民の協力強化を確認する「日ウクライナ経済復興推進会議」に出席しており、「日本とウクライナが、新しい友好の地平を開き続けると信じている」と支援に感謝した。【五十嵐朋子】