道路整備率ワースト返上へ 副知事3人体制へ知事が条例改正案を提出
副知事を2人から3人に増やす条例改正案について説明する山下真・奈良県知事=奈良市登大路町
山下真・奈良県知事は17日、記者会見を開き、副知事を1人増やして3人とする条例改正案を18日開会の6月定例県議会に提案すると発表した。全国最悪レベルの道路整備率の改善に向け、国土交通省から専門性を持った人材の派遣を想定しているという。
県では現在、財務省出身の湯山壮一郎氏と元県幹部の福谷健夫氏の2人が副知事を務める。議会で可決されれば、紀伊半島大水害(2011年)後に臨時的に副知事が3人いた12~15年度以来の3人体制となる。
知事は狙いについて、「インフラ整備の遅れが県の停滞の遠因となっている面もある。国交省とのつながりが非常に重要と認識した」と述べた。新たな副知事は、道路整備のほか、リニア中央新幹線の新駅誘致、近鉄・JRの高架化、豪雨や地震など災害対策への対応を担当する方針という。
国交省の昨年の道路統計年報によると、一般国道と都道府県道の道路整備率は34・2%で、全国最下位。下から2番目の徳島を8・2ポイント下回る。知事は整備率最下位を返上し、未開通部分の残る京奈和自動車道の開通のめどをつけたいと強調した。
総務省の調べでは、昨年4月現在で副知事の定数を3人以上と定めるのは、東京や大阪など大都市圏を中心に11都道府県に限られる。
自身が日頃重視する「費用対効果」に見合うか考えを問われた知事は、「遅れた分野を急ピッチで改善するために人件費が発生することは、インフラの状況を踏まえれば県民の理解は得られると思う」と述べた。
人選は「国交省と調整している」とし、早ければ7月中旬の着任を見込んでいる。(机美鈴)