安藤ハザマ/PCaの組み立て模擬想ツール開発、3Dモデルで出来形基準誤差考慮
安藤ハザマは、プレキャスト(PCa)部材の組み立てシミュレーターを開発した。複数の3Dモデルを組み立てるシミュレーターをオートCADのプラグイン(拡張機能)で実現。部材の製作時や設置時に出来型管理基準との誤差を考慮し、組み立て後の構造物の出来形をシミュレーションする。今後はPCa製品のデジタルツインを構築し、さらなる生産性や品質の向上を目指す。
12日に発表した。3Dモデルによって誤差を含んだ組み立て後の形状を視覚的に確認するツール。組み立てる部材と組み立て時に接する箇所の誤差が最小になるよう配分、配置する。
同社によると、一般的にPCaなど既製品を組み立てて構造物を構築する工事は、既製品の設置時に出来形管理基準の規格値で定められた誤差以内に納まるよう、施工中に現場で調整部材などを使いながら次の既製品を設置し組み立てていく。
製造業などでは部品の形状や組み立ての誤差を考慮するやり方が普及し、シミュレーションツールも存在する。一方、建設分野ではこうした考え方があまり普及しておらず、広く使用されているCADでもサポートされていなかった。
同社は既製品の組み立てシミュレーターを開発した背景に、i-ConstructionによってPCa化や自動化施工の普及を想定。PCaなど既製品の製作誤差や組み立て時の施工誤差を認識し、調整部材などを使用した事前の施工シミュレーションが可能となる機能がBIM/CIMモデルに求められていくと見ている。
今後、実物を計測するレーザースキャナーなどと組み合わせ、石垣の積み上げや消波ブロックの設置検討で活用する予定だ。
安藤ハザマ/PCaの組み立て模擬想ツール開発、3Dモデルで出来形基準誤差考慮