山名氏城跡保存会が日本城郭文化振興賞を受賞 急峻な山城整備を評価
城跡の階段で草刈りをする山名氏城跡保存会のメンバー=山名氏城跡保存会提供
日本100名城の主催で知られる日本城郭協会(小和田哲男理事長)は、城郭・城趾(じょうし)の維持、整備を自主的に行っているボランティア団体を顕彰する「第3回日本城郭文化振興賞」に、兵庫県豊岡市の「山名氏城跡(やまなししろあと)保存会」を選んだ。保存会メンバーが14日に豊岡市役所を訪れ、関貫久仁郎市長に報告した。
関貫久仁郎市長(右)に受賞を報告する山名氏城跡保存会のメンバーら=2024年6月14日午後3時34分、兵庫県豊岡市役所、菱山出撮影
前身の「但馬出石此隅山城(このすみやまじょう)の保存を進める会」は、出石町にある国史跡の「山名氏城跡(此隅山城跡、有子山城跡(ありこやまじょうあと))」の保存、調査研究などを目的に、1985年に発足した。2002年から山名氏城跡保存会として活動している。
国史跡に指定された96年以降、定期的に草刈り、山道の整備に努めてきた。
とりわけ有子山城跡は急峻(きゅうしゅん)な山上にあるが、登山道の整備や安全配慮に努め、山上部の草刈りを会員総出で実施。石垣遺構も見学しやすくなり、ふもとの出石城下町からも山上部の石垣がはっきりと視認できるようになったことなどが高く評価された。今月5日には東京で表彰式があった。
市役所へ報告に訪れた保存会の柳原茂司会長(81)らに、関貫市長は「日ごろの丁寧な手入れが実を結んでよかったですね」とねぎらった。柳原会長は「長い間携わってきた先輩、役員、応援してくれた方の成果です。お礼を申し上げたい」と話した。(菱山出)