漁業に深刻な被害…富山市の水橋沖で水中ドローンが捉えた「海底地すべり」の痕跡 崖がひび割れている所も
漁業に深刻な被害…富山市の水橋沖で水中ドローンが捉えた「海底地すべり」の痕跡 崖がひび割れている所も
能登半島地震で富山市の水橋漁港の沖合では定置網が破れて流されるなど、漁業に深刻な被害が出ました。
その原因とみられるのが「海底地滑り」。
23日、水中カメラによる定置網被害の確認が行われました。
朝、漁船で向かった富山市の水橋沖。
*リポート
「水橋漁港の沖合およそ1.5キロ。能登半島地震の後、定置網が破れて流されるなどの被害が確認された場所です。海の中で何が起きていたのか?これから調査が始まります」
水中ドローンは、水深約145メートルの海底へ。
定置網が設置されたポイントのすぐそばで行われた調査には、地震や津波について研究する富山大学の立石良准教授が同行しました。
切り立った斜面が丸くえぐり取られたような場所や、ミルフィーユ状の地層を残したまま崩れ落ちた大きな岩も。
水橋沖の海底で起きていた「海底地すべり」が映し出されました。
*富山大学都市デザイン学部 立石良准教授
「(海底地滑りが起きた場所は)陸でいう滝のような、特に安定しない場所で起きている。崖がひび割れている場所があり、次はここから割れて海底地滑りが起きる」
水橋沖では、定置網を海底で固定する「アンカー」と呼ばれる石が能登半島地震のあと押し流され、5カ所あるポイント全てで網が沈んだり、ロープが切れて流されるなどの被害が確認されました。
今月3日には、海に浮いていたロープが観光船のスクリューに絡まり一時航行不能となるトラブルも起きています。
今回の調査で、海底地すべりで押し流されたとみられる定置網のアンカーやロープは確認できませんでした。
確認できなかったことについて、立石准教授は...。
*富山大学都市デザイン学部 立石良准教授
「今回海底地滑りがあり、おそらく新しいものだった谷の下方にアンカーやロープが流された可能性がある。マルチビーム計測(地形把握)と水中ドローンによる観察を組み合わせることで、今回の能登半島地震による海底地滑りの解明が進むのではないか」