ソニー十時裕樹社長 ホンダとのEV事業は「早期の収益化よりも長期目線で」
ソニーグループが開催した定時株主総会=25日、東京都港区(黄金崎元撮影)
ソニーグループの十時裕樹社長は25日に都内で開いた定時株主総会で、ホンダと開発する電気自動車(EV)事業について「1号車は大きな数を見込んでいない。早期の収益化というよりも長期目線で考えている」と述べた。十時氏は「われわれのセンサーが自動運転に貢献するのは十分に考えられる。車がエンタメ空間になる可能性もある」とEVの進化に期待を込めた。
ソニーはホンダと折半出資するソニー・ホンダモビリティを設立。令和7年にEVの受注を開始し、8年前半に北米、8年後半に日本に投入する。EVや自動運転が普及すれば、ソニーが手がける半導体の利用拡大も見込まれる。
また、株主から米メディア大手、パラマウント・グローバルの買収報道について問われた十時氏は「特定の会社のM&A(合併・買収)をコメントするのは難しい」とした上で「良い作品を生み出せる人や技術に注目している」と語った。
一方で「規模の大きなM&Aをするというよりも目的にかなった上質な資産があれば、(買収を)検討したい」と話した。米メディアはソニーグループ傘下の映画会社と米投資会社が約4兆円で共同買収を提案していると報じている。
総会には株主451人が出席し、1時間21分で終了した。取締役10人を選任する議案を可決した。