DeNA・度会隆輝がV呼ん打!防御率0・49高橋宏に土つけた 1軍復帰後打率・370
四回、度会は先制点につながる逆方向への左前打を放った(撮影・中島信生)
(セ・リーグ、中日1-5DeNA、9回戦、DeNA5勝4敗、28日、バンテリンD)DeNAは28日、中日9回戦(バンテリンドーム)に5-1で快勝した。ドラフト1位・度会隆輝外野手(21)=ENEOS=が、チーム初安打を含む2安打で打線を牽引(けんいん)。試合前時点で防御率0・49と安定感を誇った中日先発の高橋宏斗投手(21)の攻略に一役買った。3位のチームは2位阪神にゲーム差なしと肉薄、首位広島とは3ゲーム差とした。
突破口を切り開いたのは、波に乗る度会だった。DeNA打線は高橋宏の角度と球威のある直球に押され、四回1死まで無安打。初対決に燃えていたルーキーはチーム初安打で流れを引き寄せ、力強く拳を握った。
「ものすごいピッチャー。本当にワクワクした戦いができました」
1打席目は初球打ちで一ゴロに倒れたが、2打席目は2球目の直球を捉えて三遊間を破った。外角高めの152キロに振り負けず「しっかりと打てた」。続く佐野の右中間フェンスに当たる適時二塁打で一塁から一気に生還した。
高橋宏は試合前時点で55回を投げて防御率0・49。抜群の安定感を誇った右腕の牙城を崩すべく、打線は束になった。1-0の五回は関根がバント安打、ジャクソンが犠打、そして桑原が犠飛と役割を果たし、相手の失策も絡んで3点を奪った。
チームの犠打数はリーグ最少の28。この日は休養のため出番がなかったオースティンや筒香らの長打力を生かした攻撃でリーグ2位の237得点を積み重ねてきたが、難敵を手堅く攻めて6回4失点で降板に追い込み、今季初黒星をつけた。三浦監督は「2巡目からしっかり対応できた」と納得顔を浮かべた。
度会にとって、高卒ドラフト1位で一足早くプロの扉を開いた高橋宏は同学年の好敵手。右腕が昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に輝いた姿はテレビ画面越しに見た。プロ入りしてから仲を深め「彼はフレンドリー。自分も人見知りしない。同じリーグなので一緒に頑張っていきたい」と切磋琢磨(せっさたくま)を誓う。
11日に1軍に復帰してから11試合で打率・370(46打数17安打)と好調を維持する。2番打者として得点源の役割を担い、球団新人記録の6試合連続打点もマーク。起爆剤として9勝2敗の勝ち越しに貢献しており、チームは首位の広島とのゲーム差を3に縮めた。
「後ろにものすごいバッターがたくさんいる。僕が打ったらチームは勢いに乗るかもしれないけど、今は2番で求められたことをやりたい」。冷静な口ぶりに成長の跡がにじんだ。(鈴木智紘)