円続落、一時161円台に 歯止めの材料見当たらず、為替介入が焦点
円相場
28日の東京外国為替市場で対ドル円相場は一時、1ドル=161円28銭まで円安が進み、1986年12月以来、約38年ぶりの水準をつけた。市場では、この流れが止まらなければ、政府が円買いドル売りの為替介入に動くとの見方がある。
午後5時時点では前日同時刻より38銭円安ドル高の1ドル=160円92~94銭。この日は国内企業の四半期の最終営業日で、朝からドル需要が高まった。また、日本時間の午前中には米大統領選の候補者討論会があり、トランプ氏がバイデン氏よりも優位との受け止めが広がった。インフラ投資の拡大や減税などを掲げるトランプ氏が勝てば、米国の物価高が続き、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが遠のくとの観測がある。こうした見方もドル買い円売りを後押ししたようだ。
一方、日本銀行による金融正常化に時間がかかるとの観測も根強い。日米の金利差が縮まらないとの観測が、金利の高いドルを買って円を売る動きにつながっている。