【日本株週間展望】上昇、国内金利高で金融株買い-米雇用にらむ
(ブルームバーグ): 7月第1週(1-5日)の日本株は上昇する見通し。国内の長期金利上昇により、銀行や保険など金融株が買われそう。週後半にかけては、米国の雇用統計を控えて様子見ムードが高まるとみられている。
6月第4週の東証株価指数(TOPIX)は週間で3.1%高と反発し、終値ベースでのバブル崩壊後高値を一時上回った。外国為替市場の円安進行で業績期待が高まり、輸出関連株などが買われた。長期金利の上昇を好感した金融株への買いも入った。
1日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観、6月調査)を発表する。3月は大企業製造業の景況感がプラス11と4四半期ぶりに悪化した。6月の市場予想はプラス11と横ばい。円安進行で高まる日銀の早期利上げ観測をさらに後押しする内容となれば、金利上昇を促し、バリュー(割安)株や金融株を押し上げる展開となりそう。
米国では雇用関連指標が集中する。2日に求人件数 、3日にADP雇用統計、5日に雇用統計の発表があり、労働市場の鈍化が裏付けられると、早期の利下げ期待から相場の追い風となる。1日には6月のISM製造業景況指数も公表される。
TOPIXの推移
一方、欧州政治への警戒は重しになりそう。英国で4日に実施される総選挙では14年間の保守党政権の終焉(しゅうえん)が予想され、極右政党が台頭するフランスでは7日に国民議会(下院)選挙の第2回投票を控える。選挙にかけて政治不安が高まり、欧州勢を中心にリスクオフ姿勢が広がる可能性がある。
《市場関係者の見方》
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャー
日経平均株価は3万9000円から4万円で推移するだろう。短観で企業の人手不足感の強まりが示されれば、賃金上昇が予想され利上げ見通しが強まる可能性はある。長期金利が上昇すれば金融株が買われるほか、米指標次第では半導体株が反発する可能性がある。一方、週後半は米雇用統計を控えて様子見姿勢が強まる。欧州政治を巡る不安は短期的に相場が振れる要因となりそう。
岡三証券の大下莉奈シニアストラテジスト
米重要指標を控えた様子見ムードに加えて、米国の休場を挟むため商いが入りづらく、一進一退の動きになりそう。TOPIXコア30が高値を取るなど地合いは悪くなく、短観で設備投資が堅調なセクターに物色買いが入る可能性。一方、米雇用統計に合わせて為替介入が行われる可能性があり、介入警戒感から上値は抑えられる。
--取材協力:我妻綾.
More stories like this are available on bloomberg.com
©2024 Bloomberg L.P.