建設機械のEV化へ試行錯誤 日立建機は海外の現場再現した研究拠点
スムーズにタイヤを運ぶ作業を披露した日立建機の電動ショベル=2024年5月27日、千葉県市川市、若井琢水撮影
建設機械大手の日立建機は5月27日、千葉県市川市で電動化に向けた研究拠点「ゼロエミッション EVラボ」を立ち上げた。電動化が進むノルウェー・オスロの建設現場を再現したデモエリアで実証実験を重ね、近い将来に見込まれる電動化需要の取り込みを狙う。
電動建機の導入が進むノルウェー・オスロの建設現場を再現したデモエリア=2024年5月27日、千葉県市川市、若井琢水撮影
デモエリアには、5~13トンの電動ショベル3台や大型の充電設備、電動の運搬車両などを用意。タイヤや木材、高さ1メートルの盛り土もあり、実際に土砂の掘削や運搬を試すことができる。伊藤忠商事や九州電力、トラック大手のいすゞ自動車も参画しており、共同で電動建機や蓄電池、電力マネジメントシステムの改良をめざす。
電動建機は、エネルギーコストの高さが普及の壁になっている。当面は、建機以外も巻き込んだ実証実験で電力マネジメントシステムを鍛え、建設現場全体の消費電力を減らすことを目標に据える。
中村和則CTO(最高技術責任者)は「電動化しただけでは受け入れてもらえない。試行錯誤し、ソリューションをつくることで、国内外の建設現場のゼロエミッションを実現していきたい」と意気込む。