166センチのヒーロー・田中幹也、忍者守備の原点は父の教え「誰よりも低い姿勢で動きなさい」【記者メモ】
お立ち台でドアラに祝福される田中
◇30日 中日3―0DeNA(バンテリンドームナゴヤ)
中日は30日のDeNA戦(バンテリンドームナゴヤ)に3―0で快勝し、連敗を3で止めた。0―0の7回に田中幹也内野手(23)の先制2点適時打とオルランド・カリステ内野手(32)の適時二塁打で3点を挙げ、連続試合2得点以下を10でストップ。5投手の継投で零封した。
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身長180センチ超えの選手がゴロゴロいるプロ野球の世界で166センチ、68キロの体で戦う田中。ドラフト直後、体格のことを尋ねると、こう話してくれた。「小柄だからできる動きがあると思うんです」。教えてくれたのは神奈川・東海大相模高で正遊撃手だった父・茂さんだ。
「ずっと同級生の中では背は小さい方でした」。一番背が伸びた期間は中学1年の時。それでも整列の際は先頭で、前へ倣えは腰に手を当てていた。そんな幹也少年に父が教えたのは、まず守備。「誰よりも低い姿勢で、そのままの高さで動きなさい」。野球を始めた小学1年から今までずっと守り続ける。
30日のDeNA戦(バンテリン)。決勝打だけでなく俊敏な身のこなしで再三にわたり好守を披露。亜大時代からの愛称”忍者”も竜党に浸透してきた。ここまで失策0。「僕の持ち味なので」と白い歯を見せた小兵の動きは、体格が全てではないことを教えてくれる。(長森謙介)