円は161円台半ば、FRB議長発言で米長期金利低下-38年ぶり安値圏
(ブルームバーグ): 3日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=161円台半ばと前日夕から小幅上昇して推移。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレ鈍化の再開に言及したことで米国の長期金利が低下し、ドルが下落した。一方、円売り需要は根強く、約38年ぶりの安値圏で日本の通貨当局による介入警戒感との綱引きが続きそうだ。
円相場は午前7時24分現在、対ドルで161円42銭(2日午後5時時点は161円66銭)2日の海外市場で一時161円27銭まで上昇 |
2日の東京市場で一時161円74銭と1986年以来の安値を更新した円は、パウエル議長の発言を受けて海外市場で161円台前半に反発した。その後は米求人件数が予想外に増えたことで米長期金利が低下幅を縮め、円も伸び悩んだ。
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3日の東京市場では、日米株高によるリスク選好の流れから低金利の円を売ってドルを買う需要が見込まれる上、金融機関が顧客と外貨を取引する際の基準となる公示仲値の設定にかけた実需の円売りも警戒される。介入警戒感は円を下支えするとみられるが、2日の鈴木俊一財務相や神田真人財務官の発言に対する相場の反応は限られており、市場は実弾介入の可能性を見極める状況になっている。
ドル・円の推移
この日は連合が今年の春闘の最終回答集計結果を公表する予定。日本銀行の7月利上げ観測が高まれば相場に影響する可能性がある。米国では6月の供給管理協会(ISM)非製造景況指数や民間雇用者数の発表が注目される。
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