【名古屋場所新番付2】尊富士は史上最速十両陥落、若隆景と遠藤ら幕内復帰/平幕以下関取編
日本相撲協会は1日、大相撲名古屋場所(14日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。
平幕の最上位の筆頭は、東が明生(28=立浪)で西が熱海富士(21=伊勢ケ浜)。熱海富士には「3度目の正直」なるか-に注目される。今年初場所が西前頭筆頭で6勝9敗、そして先場所は東前頭筆頭で千秋楽に敗れて7勝8敗と、あと一歩が届かない。今度こそ、の意気込みで臨む。先場所、出場停止以外では初めて全休した朝乃山(30=高砂)は、小結から陥落し東前頭12枚目からの出直しとなる。
再入幕は5人。経験豊富な実力者がそろった。幕内優勝経験者で先場所は14勝1敗で十両優勝を果たした若隆景(29=荒汐)は、関取衆最多の番付9枚アップで幕内に返り咲いた。昨年の名古屋場所以来、丸1年ぶりの復帰で東前頭14枚目からの旋風に期待だ。
また先場所、8年ぶりの十両陥落の憂き目に遭った遠藤(33=追手風)は、1場所で復帰を果たした。人気力士として西前頭14枚目の番付で幕内の土俵に上がる。千代翔馬(32=九重)と輝(30=高田川)は、ともに5場所ぶりの返り入幕、武将山(28=藤島)は3場所ぶりの幕内復帰となった。
既に発表されている十両昇進力士は3人で、関取の座を初めてつかんだ新十両は2人。西十両13枚目の嘉陽(24=中村)は、中村部屋からは現師匠(元関脇嘉風)が部屋を創設して初めての関取誕生。沖縄県出身では19年名古屋場所の木崎海以来、7人目の新十両で、日体大からは先場所の阿武剋以来16人目。西十両14枚目の生田目(22=二子山)は、二子山部屋からは22年九州場所の狼雅以来で、栃木県出身では18年春場所の貴公俊以来、戦後10人目の関取輩出となった。先場所、幕下優勝を果たした藤青雲(26=藤島)は1年ぶりの十両復帰となった。
十両で注目されるのは、春場所で110年ぶりの新入幕優勝を果たした尊富士(25=伊勢ケ浜)。その14日目の朝乃山戦で負傷し、先場所は全休したため、東前頭6枚目から東十両2枚目に陥落した。幕内優勝経験者の十両陥落は史上19人目だが、優勝場所から1場所での陥落は最速となった(従来の最速は逸ノ城の3場所)。
大相撲名古屋場所は、12日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。14日の初日を迎える。
尊富士(2024年3月24日撮影)