仲間と創作、30年の活動に幕 土浦拠点の「清明21美術協会」グループ作品展 6月30日まで
指導を受けた本堂清さん(前列中央)を囲む清明21美術協会のメンバーたち=いずれも土浦市で
茨城県土浦市を拠点に、複数の市民絵画団体で構成するグループ「清明(せいめい)21美術協会」の最後の作品展が25日、同市大和町の土浦市民ギャラリーで始まった。以前は8団体が所属したが高齢化により解散が相次ぎ、約30年間の活動に幕を閉じる。今回の展示には既に解散した団体のメンバーも参加し、仲間と打ち込んできた創作活動の集大成を披露している。入場無料。30日まで。(佐野周平)
清明21美術協会は30年ほど前、元日展会友の本堂清さん(93)が講師を務める公民館講座の受講生らでつくる8団体が一緒になって発足した。普段は各団体が個別に創作に励み、年に1回、グループの活動として合同作品展を開いてきた。
発足時は会員が80人近く、県つくば美術館(つくば市)で作品展を開催していた。副会長の中村勤さん(76)は「全館を借り切っても作品を飾る場所が足りなくなるほどの盛況ぶりだった」と懐かしむ。
しかし病気や死亡、肉親の介護などで徐々に退会者が増え、8団体のうち6団体が既に解散した。現在も活動しているのは、いずれも油彩画をたしなむ「油遊(ゆうゆう)会」と「ポプラの会」の2団体のみ。会員は両団体合わせて60~80代を中心に約15人にとどまる。
会員たちの集大成となる力作が並ぶ会場
ポプラの会も今回の作品展を最後に解散が決定。グループとしての存続が難しくなったため、協会を解散することとした。最後のグループ展には両団体の会員に加え、既に解散した構成団体のメンバーらも参加。計約25人が油彩画を中心に水墨画や水彩画など計70点ほどを出展した。
ポプラの会メンバーで、協会の会長を務める遠藤功さん(84)は「この年齢になっても共通の趣味を一緒に楽しめる仲間がいるのは、本当にありがたかった」と惜しむ。今後は個人で創作を楽しむことになるが、解散後も仲間たちとの交流は続けたいという。
ポプラの会では毎年のようにスケッチ旅行に行っていたという。今回のために、これまで何度か訪れた長野・上高地の風景を描いた新作を出展する会員も複数いる。その一人、山崎喜八郎さん(84)は「最後の記念に描いたが、当時のことを思い出した。やっぱり解散は寂しいね」と、しみじみ話す。
中村副会長が代表を務める油遊会は、作品展が終わった後も単独で活動を続ける予定だ。中村さんは8年前に妻を亡くし、現在は一人暮らし。「皆さんに元気をもらい、つらい時期を乗り越えられた。小規模の活動にはなるだろうが、できる限り続けたい」
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