日本屈指の司令塔、独創的「コロコロPK」でファン魅了…遠藤保仁26年の現役生活に幕
W杯南アフリカ大会のデンマーク戦では、直接FKを決めた(2010年6月24日)
日本サッカー界を代表する司令塔、MF遠藤保仁(43)が26年間の現役生活に幕を下ろした。G大阪ではJ1で2度リーグ制覇。黄金期を築き、チームの「顔」であり続けた。
9日、約5分間のメッセージ動画を配信し、引退を表明。「悔しい時、苦しい時もたくさんあった。多くの方に支えられ、応援していただいた」と感謝した。
ただ、引退の記者会見は行わない予定で「真面目に語るのは僕らしくない。何といっても(シーズン)オフなので、満喫したい」と、ひょうひょうとプレーしてきた遠藤らしさを貫いた。
1999年のワールドユース(当時)で準優勝した「黄金世代」の一人。J1は672試合(103得点)、日本代表152試合(15得点)で、ともに出場試合数は歴代最多。緩急自在のパスや正確無比なFK、そしてGKの動きを見極めてゴロでネットを揺らす「コロコロPK」――。独創的なプレーでファンを魅了した。今年からは、G大阪にトップチームコーチとして戻る。「自分以上の数字を残せる選手がこれから出てきてほしいと思いつつ、出てきてほしくないなとも思う。日々楽しく、というのがサッカー人生のモットー。コーチになってもその気持ちを忘れず、いい選手を送り出したい」と話した。
代表、G大阪でプレーした日本サッカー協会の宮本恒靖専務理事(46)は「安心してボールを預けることができた」とコメント。G大阪の監督として指導したこともあり「クレバーで、何がベストかを常に考え、監督が求めることを実行できる選手だった」と評した。