イスラエル、ガザ軍事活動を一部停止…支援物資搬入増へ国際的批判に配慮
【カイロ=西田道成】イスラエル軍は16日、パレスチナ自治区ガザへの人道支援物資搬入を増やすため、15日からガザの一部地域で軍事活動を一時停止したと発表した。先進7か国首脳会議(G7サミット)で人道状況の改善を求める首脳声明が採択されるなど圧力が強まっており、国際的な批判に配慮したとみられる。
イスラエル、ガザ軍事活動を一部停止…支援物資搬入増へ国際的批判に配慮
発表によると、毎日午前8時~午後7時の11時間、物資の搬入口となっている南端のケレム・シャローム検問所から南部ハンユニスの病院まで南北約10キロ・メートルの幹線道路沿いで戦闘を一時停止する。今後告知するまで続けるという。
ガザでは食料不足が深刻化している。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は15日、5万人以上の子供が急性栄養不良の治療を必要としているとX(旧ツイッター)で訴えた。ガザを視察した世界食糧計画(WFP)のカール・スコウ副事務局長は14日、南部や中部で戦闘が激化し、「必要な食料援助を届けるのは不可能に近い」として即時停戦を求めていた。
最南部ラファなどでは15日も戦闘が続いた。軍報道官によると、ラファ近郊を走行していた装甲車が爆発し、乗っていたイスラエル兵8人が死亡した。イスラム主義組織ハマスの軍事部門は車両を待ち伏せして攻撃したと明らかにした。