阪神・ノイジー株また下げた…八回の三振併殺に岡田監督ブチ切れ「真っすぐ当たらへんねんもん」 阪急阪神HD株主総会では株主から苦言「新外国人をなぜ取らなかったのか」
八回、ノイジーはフルカウントから空振り三振。最悪の併殺となった(撮影・村本聡)
(日本生命セ・パ交流戦、ソフトバンク2-0阪神、1回戦、ソフトバンク1勝、14日、みずほペイペイ) 笛吹けど、踊らず…。阪神はソフトバンクに0-2で今季9度目の零封負け。昇格させたシェルドン・ノイジー外野手(29)を「3番・左翼」で先発出場させたが、八回に三振併殺を喫し、岡田彰布監督(66)は怒り心頭。試合前には大阪市内で阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会が開かれ「新外国人をなぜ取らなかったのか」と株主から糾弾されたが…。2年連続の交流戦負け越しが決定。セ・リーグ唯一の黒星と散々だった。
厳しい表情で戦況を見守る岡田監督。貧打から抜け出せない(撮影・渋井君夫)
バットに当てるだけでよかった。そのために一走・中野にランエンドヒットをかけた。ノイジーは振り遅れ、最悪の三振併殺。またしても、スコアボードにゼロが並ぶ。岡田監督が吐き捨てた。
「いや、真っすぐ当たらへんねんもん。そりゃ、しゃーない。真っすぐ当たらへんねんもん」
14三振で今季9度目の零封負け。12日のオリックス戦(京セラ)で2試合連続を喫し、1週間で3度目という悲劇となった。0-2の八回1死で中野が松本裕から左前打。この日、1軍に昇格させてスタメンを任せたノイジーはフルカウントに持ち込んだ。岡田監督がサインを出す。低めの直球。ファウルでもよかったが、空振りで中野も甲斐の強肩に刺された。
阪急阪神HDの株主総会に向かう株主ら。外国人補強を問う声が上がった(甘利慈撮影)
「そら(カウント)3-2からランエンドヒットでお前、ストライクきましたで、真っすぐを空振りするんやから。そら、何にもできひんやんか。走らすこともできひんやん、それやったら」
球団史上初のセ・リーグ連覇を目指す上で助っ人野手の補強を封印した。昨秋のオリックスとの日本シリーズ第7戦でノイジーは先制3ラン。年俸20万ドル減の110万ドル(約1億6170万円)で更新という異例の残留を勝ち取った。バットを立てて始動を早くすることなど指揮官自らオフの宿題を出したが…。
「最初の打席で真っすぐをいいスイングで打ち返すことができたので良かったが、その後、2三振したから反省したい」とノイジー。一回2死は左翼フェンス直撃の二塁打。来日2年目で初の降格を味わって奮起したかに思えたが、勝負どころでは寂しい限りだった。
午前中もノイジーは怒りの矛先を向けられていた。大阪・梅田で開催された阪急阪神HDの株主総会で男性株主が「新外国人(野手)をなぜ取らなかったのか」と質問。壇上の谷本修阪神電鉄取締役スポーツ・エンタテインメント事業本部長が「(ノイジーもミエセスも)ともに若い選手ですので、活躍の可能性がある」と説明したが、不安は的中。交流戦は2年連続負け越しとなり、2017年6月17日以来となるセ・リーグで阪神だけが敗戦。貯金は1。首位広島とは3、3位巨人とは0・5ゲーム差となった。打率・244、1本塁打、8打点のノイジーには肩すかしされてばかり。これではしんどい。
「ヒット出ても、走れいうても走らんし、走ったらバッター空振りするし、走ったら勝手に打つし、点なんか入るわけない。なんにもないわ」
チーム全体にいらだちを隠せない岡田監督。ノイジーの株は暴落するばかり。主砲のはずの大山は不振で2軍。勝負の夏になっても肝心の戦力が整わない。(新里公章)
■データBOX
◉…阪神が今季9度目の零封負け(交流戦では4度目、1週間で3度目)。1シーズン143試合換算では20度ペース。球団ワーストは2022年の25度
◉…交流戦は5勝10敗。3試合を残して、昨年(7勝10敗1分けで10位)に続く負け越しが決まった
◉…今季は先制されると7勝21敗3分け。六回終了時にビハインドだと2勝19敗2分け