ガーミンの最新レーザー距離計をプロキャディの杉澤信章さんが高評価! ゴルフGPSウォッチとの連動やピン位置の自動補正などを搭載
ゴルフ用GPSウォッチ、弾道測定器などを発売する「ガーミン」の最新レーザー距離計『Approach Z30』(アプローチ ゼット30)が6月27日に発売された。最新モデルにどんな新しい機能が搭載されたのか? またゴルファーが求める使い勝手の良さはあるのか? ガーミンのアンバサダーで、丸山茂樹プロや多くのトッププロのキャディを務めてきた杉澤伸章さんに聞いた。
6月27日に発売された「ガーミン」の最新レーザー距離計『Approach Z30』(アプローチ ゼット30)
狙うスペースの範囲をしっかり把握できるのが画期的
●『Approach Z30』の新機能
『Approach Z30』で距離計測したときの画面。ピンからフロントエッジの距離もピンからバッグエッジからの距離も一発で確認できる。「142(Y)」は打つべき推奨距離を表示
『Approach Z30』の特徴のひとつは、互換性のあるガーミンのゴルフGPSウォッチ『Approach S70』などと一緒に利用し、つなげることで、計測した距離をデバイス間でリアルタイムに共有できること。
レーザー距離計でピンまでの距離を測るとつないだGPSウォッチ画面上にレーザーで計測した正確な数字が表示され、見ることができる。
2つ目は、レーザー距離計のファインダー内にピン位置からフロントエッジとバックエッジが表示される。ピンまでの距離を測りながら、同じファインダー内でピンから手前の距離とピンから奥までの距離を同時に把握することができる。
Z30と連動したGPSウォッチの画面で見た計測前と計測後。ピン位置が自動補正され、ピンまでの距離を正確に把握できる※傾斜(矢印)や起伏(色)はアプリ(サブスク)バージョン
3つ目は、ピンにレーザー距離計をあてると、距離計とつないだGPSウォッチなどの画面のピン位置が自動補正される。標準では中央にあるピンが手前または奥の正しいピン位置に移動するというものだ。
4つ目は、レーザー距離計単体でも高低差に対応するが、風や気象の考慮に対応するウォッチとつなげれば、レーザー距離計のファインダー内でも、様々な条件を計算した打つべき推奨距離を表示する。
これらが「Z30」に搭載された主な新機能だ。
●新機能にはどんな使い勝手の良さがある?
「Z30」で距離計測する杉澤さん。右腕につけたガーミンのゴルフGPSウォッチと連動して「スペースの把握」をする
これらの機能がどれほどのものなのか、まだ"ピン"と来ないかもしれないが、レーザー距離計の"使い勝手"を杉澤さんに解説してもらった。
「Z30はガーミンのウォッチと連動して手前エッジとバッグエッジが出るのが画期的です。グリーンのどこのスペースに打ったらいいかを把握することが大事なわけですが、計測できる数字はフェアウェイセンターからだけではありません。右ラフから測ったときには手前エッジ、ピン、そしてバッグエッジ。左ラフからも手前エッジ、ピン、そしてバッグエッジと、実際、数字は変わります。この『Z30』ならどこから測ってもすごくリアルな数字を計測することができるんです。世界のトップ選手のキャディは右ラフから、左ラフから全部のフロントエッジ、バッグエッジの距離を計測して試合に臨みます。この数字がコース攻略には大事なんですが、『Z30』があれば打つ地点からいつでも計測できてしまうわけです」
ピン位置が中央のままなら、ほかのメーカーのGPSウォッチにはあるかもしれないが自動補正されたピン位置が表示され、計測した地点からもっとも近いフロントエッジともっとも遠いバッグエッジの距離を計測できるため、打っていいスペースを把握するために必要な数字を正確に得られるようになった。
●攻めたいスペースを把握できるのが画期的
「数値化と正確なピンポジションでスペースを把握することで、番手選びでもビトイーンクラブになったときにどうするか。軽く打つか、しっかり打つか、感覚的なもの以上に、明確な数字がわかることで、力んだり緩んだりするミスを減らすことができます」と杉澤さん。
また、ティーショットでもこの機能は有効だと杉澤さんはいう。
「ティーショットを打つときに、たとえば右ドッグレッグだったら、右サイドでは何ヤードでフェアウェイに打っていけるか、左サイドでは何ヤード突き抜けるか。この機能ならドッグレッグで見えないスペースを把握できるようになりました」
たとえば、ドッグレッグの見えている右サイドの"角"まで計測して、その先の見えないフェアウェイのスペースはGPSウォッチなどの俯瞰図を見比べることで、見えない先の安心感を得ることができる。
●「安心感」というメンタル面にも効果的!?
ティーショットの狙い場所も正確に把握できる。「Z30」はGPSウォッチ(左)やスマホ(右)などのデバイスと連動させることで攻め方がよりわかりやすくなる
グリーンを狙っていくときの力みや緩みのミスは、ティーショットも同じ。メンタル面で不安が解消されればミスはなくなり、ナイスショットにつなげることができる。
グリーン上のピン回りのスペースチェック、ティーショットの安全スペースの確認などを正確に把握できるのがZ30とGPSウォッチの連動の使い勝手の良さだ。
言い換えれば、杉澤キャディが日頃プロのためにやっている安全スペース探しを、Z30とGPSウォッチが代わりに行ってくれるというものだ。
●セルフプレー時代に便利な機能
Z30のレーザー距離計はマグネットが内蔵されているので、カートに「ピタッ」と付けられる
ほかにも最新機能を挙げると、Z30のレーザー距離計はカートに「ピタッ」と付けられる。マグネットを内蔵しているので、移動時にカートに付けて保管することができるのだ。舗装されたカート道路では落ちることもない。また、腰に付けたりポケットに入れたりするのが苦手な人やカートそばでショットする場合は、距離を測った後すぐカートに付けてボールを打つことも可能だ。
ほかにも、GPSウォッチの代わりにスマホを利用してBluetoothでつなげば、ウォッチ画面より大きな画面でピン位置を把握して「スペース探し」するなんてこともできる。
サブスク利用をすれば、グリーン上に傾斜の傾き(矢印)や起伏(色)まで確認できる。スペース探しに加えて、グリーンにボールをとらえてからピンまでどう転がるか、ラインを読んでピンを攻めて行く方法もある。
距離はある程度測れてもプロ並みのコース戦略やグリーン戦略まではできなかったが、ガーミンが搭載したレーザー距離計とデバイスの連動機能は、プレースタイルの幅を広げられるきっかけになるかもしれない。
●製品仕様
価格:6万5800円(税込)
本体サイズ:112 x 80 x 39mm
ディスプレイタイプ:透明OLED(有機EL)
重量:210g
バッテリータイプ:3V リチウム電池(CR2)
稼働時間: 約1年間 ※使用頻度によって変動
測定可能距離:1300Y
ピンフラッグ測定可能距離:400Y
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