英会話力が4倍速で成長。私が2年半続けた勉強法
オンラインでの学習が一般化し、誰でも気軽に英会話をはじめられるようになりました。
そこで次に多くの人が悩みだすのは、「オンラインで英会話のレッスンをはじめたものの、伸び悩んでいる」「なんとなく意思疎通はできているけど、もう少し正確に話したい」などの壁のはず。
そんな人は、ぜひ「カランメソッド」を試してみてはいかがでしょうか?
「4倍速く英語を習得できる」カランメソッドとは?
カランメソッドは、イギリス・ロンドンで誕生した直接教授法(学習者の母語を使わず、英語のみを使う教え方)で、50年以上にわたって世界中で支持されてきました。
端的に言えば、先生の質問に答えることを徹底的に反復するよう設計された英語学習法。
ほかの学習法と比べて、約1/4の時間でケンブリッジ英語検定(PET)に合格できることが実証されているそうです。
カランメソッドの基本&特徴は?
カランメソッドの基本的なやり方は以下の通りです。
【カランメソッドの基本的なやり方】
- 先生が早口で2回質問を繰り返す。
- 生徒が即座に答える。
※質問にすぐ答えないと、先生が先に答えを言ってしまう。
※回答は定型文が決まっており、答えられても定型文通りでないと訂正される。
(例)
先生:“What colour’s this pencil? What colour’s this pencil?”
(この鉛筆は何色ですか?)
生徒(と教師):This pencil’s Black.
(この鉛筆は黒色です。)
特徴1. 母国語を介さない「英語脳」を鍛える
カランメソッドの最大の特徴は、質問にすぐ答えなければいけないこと。先生は待ってくれませんが、正確に答えられなくても、先生が半ば強引に答えるところまで助けてくれます。
教師と同時に答えていくことにより、母国語に翻訳するプロセスをストップし、英語に反射的に返答できる「英語脳」を鍛えていきます。
特徴2. 単語・文法の正しい使い方が定着する
それぞれの質問は、特定の単語や文法に焦点を当てており、質問に答えることで単語や文法の使用方法を学びます。
最初はついていけなくても、反復によって定着が見込めるでしょう。
特徴3. 文章として成立した回答が身につく
また、答えはYes・Noだけでなくフルセンテンスの回答を徹底されます。
フルセンテンスで答えることにより、質問に対応した正確な文法を用いた話し方が身につくのです。
2年半を経て実感! カランメソッドから得られた3つの効果
筆者は、2020年の夏から、カランメソッドを取り入れたオンライン英会話を開始。実感している効果としては、まず大きく2つあります。
1. 語彙力の向上
まず1つは、語彙が確実に増えたこと。
よく聞く単語だけどあやふやな意味で捉えていたり、時間がたって忘れてしまったりしていた単語を覚え直すのに役立ちました。
トピックごとに新しい単語が出てきますが、レッスンでは何回もその使い方を練習します。そして難易度が上がっていくと、その単語が自然な形で例文に挿入されているので、無意識のうちに語彙力が向上していくのです。
もちろん、自分で復習を重ねることは必須ですよ。
2. 正確な発音・文法の定着
さらに、正確な発音や文法で話せるようにもなりました。
正しく発音ができていなかったり、必要な言葉が抜けていたりすると、その都度先生が間違いを指摘してくれます。
特に筆者が一番効果を感じているのは、文法を意識した話し方が定着したこと。
英語ならではの「完了形」や「仮定法」は、テストの筆記試験ではなんとなく解答できても、実際の会話ではどんなシチュエーションで使うのか、イメージできていませんでした。
何回も反復することで、使う場面を頭の中にイメージしながら話して使う感覚をつかめたのだと思います。
3. 英文の理解力の向上
また、相乗効果として、英文の理解力が高まったとも感じています。
カランメソッドの質問はテキストに沿って進められていきます。もちろん、受講中はテキストを見ながらの回答はNG。でも、あらかじめ聞かれる内容がわかっていたとしても、丸暗記では到底答え続けられないのです。
当たり前といえば当たり前なのですが、言葉の意味や文法が理解できていないと、正確な返答は難しいのだと痛感しました。
結果、リスニング力の向上はもちろん、リーディングでも正確な意味を捉えられるようになったと感じています。
カランメソッドのデメリットから考える、向き・不向き
あくまで筆者個人の考えですが、はじめる前に把握しておいたほうがいいことが3点あります。
漫然と続けると終わりが見えない(ように感じる)
カランメソッドのテキストは全部で12ステージあります。
最初のステージ1は本当に基本的な内容からはじまり、ステージが上がるにつれて、文法や語彙が難しくなっていきます。
ちなみに、筆者は2020年からカランメソッドを受講しはじめ、7カ月目くらいまでは、週末の土日に6レッスン(およそ3時間)のペースで継続。それでも、進んだのはステージ5まで。その後、仕事や家庭が忙しくなり、あまりレッスンを受けられず、現在はステージ8を学習しています(2022年12月現在)。
オンライン英会話をはじめて2年半がたちましたが、最終ステージまで到達するにはそれなりに時間がかかります。
レッスンの流れは基本的に同じなので、飽きやすい人は特に、自分なりのゴールを設定することが大事かと思います。
会話をつなげるには別のトレーニングが必要
カランメソッドでは、あらかじめ決まっている会話の反復練習を行ないます。
したがって、フリーで話す日常会話が上達するかというと、それはまた別の練習が必要だと感じています。たとえば、文脈に沿って会話を続けたり、1つのトピックについて、ある程度まとまった量を話したりなど。
言い換えるなら、カランメソッドで増えた語彙や正しい話し方を、自分で選んで、必要な時に引き出す練習ですね。これは、カランメソッドとは別に練習したほうが良いでしょう。
カランメソッドのテキストはイギリス英語
カランメソッドの発祥はイギリス。そのため、テキストはイギリス英語で書かれています。
日本の義務教育で習う英語はアメリカ英語なので、アメリカ人の発音やスペルに馴染みのある方が多いのではないでしょうか。
大きな違いはありませんが、細かなスペルや発音、言い回しの違いが少なからずあります。特にこだわりがなければ良いのですが、アメリカ英語が自分の会話スタイルとして確立している場合、レッスンを受けると窮屈に感じるかもしれません。
カランメソッドで英語の基礎力を上げて、次のステップへ!
なお、少しマンネリ化してきたら、先生を変えてみるのがおすすめ。同じ先生のレッスンを受け続けると、お互い慣れてきて良くも悪くも緊張感がなくなってしまう時があります。
テンポ良くどんどん進んでいく先生もいれば、少しでも変な発音や間違いがあったら厳しく指摘してくれる先生もいます。先生を変えてみることで新たな発見があり、新鮮な気持ちで再スタートできるかもしれません。
ある程度カランメソッドで力がついたと感じてきたら、次のステップとしてフリー会話ができるレッスンを受けてみましょう。
カランメソッドを受ける前の様子を記録しておけば、自分の英語力がどれくらい向上したか、実感できるかもしれません。
今まで英会話を続けてきて、伸び悩んでいる方は、ぜひカランメソッドを試してみてくださいね。
——2022年12月14日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
Source: QQEnglish, English Hub, Callan Method Organisation
文:重田信