重要文化的景観 宇都宮「大谷の奇岩群」 史跡 栃木の「西方城跡」 文化審答申
大谷地区上空から見た奇岩群などの風景=宇都宮市で(市提供)
国の文化審議会が24日、文部科学相に行った答申で、栃木、群馬両県では計3件が新たに史跡などに指定される見通しとなった。
「大谷の奇岩群と採石産業の文化的景観」(宇都宮市)が重要文化的景観に、「西方(にしかた)城跡」(栃木市)が史跡名勝天然記念物に、それぞれ指定の答申を受けた。
西方城跡 西方城跡山頂部遠景(東から)=白鳥昇一氏撮影(栃木市提供)
「大谷の奇岩群」は県初となる重要文化的景観。宇都宮市北西部にあり、大谷石を中心に形成された自然と石を彫る人々の営みが共生する。凝灰岩が丘陵をなすこの地域では、農家の副業として近世に始められた採石を近代以降に地場産業とし、発展してきた。昨秋開場した大谷コネクト(大谷観光周遊拠点施設)の長瀬敦(つとむ)施設長は「これを機に、インバウンド(訪日客)や県外観光客がさらに増えてほしい」と期待した。
西方城跡 西方城跡山麓部 西側土塁石積み=栃木市提供
「西方城跡」は北関東などを治めた豪族・宇都宮氏の一族だった西方氏が室町時代に築いた山城。城主の交代や北関東の政治的緊張と関連し、山城の規模や構造が大きく変遷したと伝わる。栃木市観光協会は「西方城のように多くの工夫が凝らされ、コンパクトにまとまっている山城の例はあまりない」と説明する。現在の城跡は、散策できるよう整備されている。(武藤康弘)
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