「アメリカ人留学生」が「日本のおでん」を食べて大感激…「一番おいしい」と言った「具材」の名前
外国人留学生数も回復傾向
日本政府観光局(JNTO)が2024年5月15日に発表した4月の訪日外国人客数は304万2900人にのぼり、前年同月比56.1%増、コロナ禍以前の2019年同月比4%増となった。2か月連続で300人を突破し、4月までの累計では1160万1200人となった。このままいけば年間で3000万人を超えると思われる。
日本に訪れる外国人は、短期旅行客だけではない。文科省が発表した「外国人留学生在籍状況調査」によると、2023年5月1日時点の外国人留学生数は27万9274人で、前年度比20.8%増となった。コロナ禍以降、初めて増加に転じている。日本の大学や日本語学校などに在籍する外国人留学生の数が最も多かったのが、31万2214人の2019年。政府が2020年を目途に立てた「留学生30万人計画」を達成した年だ。2011年の16万3697人からわずか10年足らずで倍近くにまで伸び、コロナ禍を経て一時落ち込みながらもまたもとの勢いを取り戻しつつある。留学生数が多い国・地域は、中国が11万5493人(前年度比11.2%増)、続いてネパール3万7878人(前年度比56.2%増)、ベトナム3万6339人(前年度比2.8%減)で、アジアからの留学生が多い。岸田首相は外国人留学生を「日本の宝」と発言し、今度は「2033年までに40万人」の目標を立てている。この調子で伸び続ければ、新たな目標も達成されるだろう。
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外国人留学生が日本を留学先として選ぶ理由はさまざまだが、治安のいい環境や、生活インフラ、衛生面のよさ、そして日本文化への興味関心が挙げられるだろう。また、最近は円安であることも、留学先として日本の魅力が高まる理由のひとつになっているだろう。日本の文化に興味を持って訪れる留学生は、日本食をはじめとする日本文化の体験を楽しみにしている。たとえば、日本食YouTubeチャンネルの中でも特に人気が高い「Momoka Japan」の動画にも、日本文化にあこがれて留学している外国人が登場する。
YouTuber、留学生を「おでん」でもてなす
「Momoka Japan」とは、日本に訪れている外国人観光客や日本在住の外国人に声をかけて日本食を体験してもらうことを目的とするYouTubeチャンネルで、2024年6月現在88万人を超える登録者数を誇る大人気コンテンツだ。
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このチャンネルには動画更新を心待ちにするファンも多く、「何が凄いって、ももかさんのおもてなし能力だと思います。外国人の皆さんが、これだけ饒舌になるのはももかさんのインタビュアーとしての引き出しの多さと合いの手のうまさだと思います」「いつも楽しみに見てます。ももかさんの動画を見ていると、世界で戦争が起きることが理解できません」といった絶賛コメントも少なくない。「仕込みなし」「台本なし」「一発撮り」をモットーとする動画はわざとらしさがなく、インタビュアーのMomokaさんと外国人との和やかなコミュニケーションも魅力だ。
この記事では多数の動画の中から、外国人留学生にインタビューした動画「【大根うめぇ!】外国人が絶品おでんを食べて感動」を紹介する。この動画でMomokaさんのインタビューを受けたのは、アメリカ・テキサス州出身のリアムさん。日本の大学で勉強をしている学生で、日本に来て11か月だという。
和食が好きだというリアムさんにMomokaさんが紹介したのは、おでんの専門店「鶏だしおでん さもん」だ。
おでんの真骨頂はやっぱり出汁がしみた大根!
まずはビールで乾杯しながら、Momokaさんが日本に来たきっかけを尋ねる。リアムさんは21歳と若いが、日本語を勉強し始めてもう6年目だという。もともと日本食が好きであったこともあるが、昔日本に住んだことがあるという祖父から日本での話を聞いて、小さいころから日本に行ってみたいと思っていたそうだ。実際に日本に住んでみていろいろ感動することはあったが、特に自販機に度肝を抜かれたという。日本にしかないユニークなものを発見するのが楽しく、毎日が新しくて新鮮で、わくわくすると語ってくれた。リアムさんの地元は田舎で、東京を知ってしまってからはより地元を小さく感じてしまったとか。
テキサスにいたころから寿司店やラーメン店で働き、日本食に触れてきたリアムさん。2017年に初めて日本に来て、日本でもラーメンを食べたが、テキサスで働いていたラーメン店よりもおいしいラーメンには出会わなかったという。しかし、今回長期間日本に住むことになって、二郎系ラーメンを提供している「夢を語れ」はいい勝負のラーメンだったと評価。その他、日本に来て食べた日本食について尋ねると、衝撃的だったのが回転寿司だと話す。アメリカでは寿司といえば高級な食べ物で、あれほど安く食べられるなんて信じられないと驚いたそうだ。最近出身地のテキサスにも回転寿司店ができたというが、「日本の回転寿司には勝てないだろう」と予想する。
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お待ちかねのおでんが運ばれてきた。「まずは出汁から」とスープを飲むと、リアムさんはうなずいて「深みはあるけど味は濃すぎない」と評価。そして味のしみた大根を食べ、「すごくおいしい」と一言。そして次はもち巾着。今までにもちを食べたことはあったようだが、「こんなおもちの食べ方があるなんて知らなかった」という。アメリカ人はおもちと聞くとアイスクリームを思い浮かべるそうで、こういう温かいもちの食べ方は新鮮なようだ。次はたまご。この店のおでんのたまごは半熟だ。リアムさんはうなずきながら「これも好き」と食べ進める。その後も、えびしんじょに、はんぺん、ちくわと、なじみのなさそうな具材が登場し、それぞれの食感や風味に注目しながら味わう。「おでんはどの具材を選んでもおいしいし、みんな違ってみんないい。和食の原点がある」とおでんの魅力を評するリアムさん。
今回おでんを食べて、「食感もよかったし、うまみが詰まっていておいしかった」と言ったのはちくわだったが、直後前言撤回。「やっぱり大根が一番かも。お出汁があふれて最高」。最初に食べた大根に軍配が上がった。
視聴者からは
最後はデザート。抹茶のアイスクリームとあんこをもなかにはさんだものだ。「抹茶嫌いは日本に来るべきじゃない」と豪語するリアムさんは、昔から家族でもちが好きで、あんこも子どものころから食べていたのだという。抹茶はもちろん、あんこにも抵抗感がないようだった。
リアムさんがおでんを食べる様子を見た視聴者からは、「最初におつゆを味わった時点で『分かってる』っていうのが伝わってくる。おでんの大根は一口目より、他の具を一周食べて戻って来た時に真価を発揮しますよね」「ちくわ……いや、大根って。分かってるね~」と、一度ちくわが一番と言いながらも「やっぱり大根が一番」と言ったリアムさんの評価に理解を示すコメントが並んでいた。
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おでんは台湾や韓国では昔から市民に親しまれている食べ物だが、最近ではタイや中国、香港といったアジア諸国のコンビニでもおでんが売られているところがあるようだ。アジア以外の地域でも専門店が出るほど定着する日がいつか来るだろうか。
さらに連載記事<カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言>もぜひご覧ください。