2つの最新技術が融合したオデッセイ「Ai-ONE TRI-BEAM」パター ブレード3機種はどんなゴルファー向き?
「#1」は操作性に優れた重心角とオフセットでミスに強い
三角形の「ラケットホーゼル」テクノロジーを採用し、発売後瞬く間に大人気になった「TRI-BEAM」と「AIフェース」テクノロジーで圧倒的なゴルファーの支持を得た「Ai-ONE」パターが早くも融合した「Ai-ONE TRI-BEAM」パターが発売になりました。
オデッセイ「Ai-ONE TRI-BEAM」パターは、大人気の「Ai-ONE」と「TRI-BEAM」が融合したモデル
「TRI-BEAM」「Ai-ONE」という大人気パターが合体したのですから、性能も折り紙付きのはず。そこで今回はブレードタイプの「#1」「#2」「ダブルワイド」に絞ってギア計測と試打を行い、それぞれの特徴やゴルファーとの相性など探ってみようと思います。
「Ai-ONE TRI-BEAM #1」は、すっきりした典型的なブレードタイプのヘッド。構えた時に「ラケットホーゼル」は目に入らず、特殊ネックが嫌いなゴルファーでも全く気になりません。
【写真】すべてのヘッド形状をチェック! 「Ai-ONE TRI-BEAM」パターの全画像を見る
重心角を計測してみると非常にオーソドックスな55度。しかし実際にボールを打ってみると、530グラムを超える総重量から来る振り心地とミスヒットに対する寛容性の高さは大型マレット並みでした。
「Ai-ONE TRI-BEAM #1」は、ブレードタイプのヘッドながら「AIフェース」&「ラケットホーゼル」効果でミスヒットに強い
「AIフェース」による初速の安定感とインパクト時のフェースの少ないブレで、転がりのよい直線的なパッティングが可能になっていました。
ミドルパット以内の操作性の高さでブレードを選んだけど、ロングパットに自信が持てないゴルファーには「どハマり」するブレードパターだと感じました。
「#2」はブレードとマレットのハイブリッド! アライメント機能も抜群
ブレードタイプながらクラブ総重量が540グラムを超える「Ai-ONE TRI-BEAM #2」パターの重心角を計測してみると、意外にも64度ありました。
「Ai-ONE TRI-BEAM #2」の重心角は64度。意外とオートマチックなパター
構えた時にブレードの長さをしっかり感じられるため、ターゲットに対するフェース向き「アライメント」も抜群です。ストロークしてみると、見た目よりもオートマチックで、真っすぐに振り幅だけでタッチが出せるブレードとマレットのハイブリッド的なモデルになっています。
フェース面をしっかりと感じつつ、振り幅でタッチも出したいゴルファーはもちろん、シャープなルックスと重量感を求めるゴルファーにも支持されるはずです。
「ダブルワイド」は見た目も中身も重量級ブレードパター
「Ai-ONE TRI-BEAM ダブルワイド」はその名のとおり、ブレードタイプながらヘッドの奥行きがマレット級にワイドなモデルです。
クラブ総重量も547グラムと重量級ですが、オフセットは少なめ(9.7ミリ)で重心角は「#2」よりも小さめ(62度)でした。
「Ai-ONE TRI-BEAM ダブルワイド」はマレット的なルックスと重量感ながら、やや抑えた重心角(62度)で操作性も感じられる
実際にストロークしてみても、重量感がある割に「意外と操作性もよい」不思議な感覚がありました。
もともと直進性やミスヒットに対する寛容性が高いヘッドですが、「Aiフェース」と「ラケットホーゼル」まで装着されたら「ブレるはずがない」と感じました。高い寛容性に加えてフィーリングや操作性もしっかり残っていました。
今回、試打と計測を行った「Ai-ONE TRI-BEAM」のブレードモデル3機種の「ラケットホーゼル」ほぼ同じサイズでしたが、重心角やオフセットなどは異なり振り心地やヘッド性能にはそれぞれの個性が見られました。
興味深い点としては、単にゴルファーに評価されたテクノロジーを追加したわけでは決してなく、ヘッド形状の「長所を伸ばし弱点を補う」設計がなされているところでした。
ゴルファーが求める操作性ばかりに偏ってしまうとミスに対する寛容性が失われてしまいがちですが、最新のテクノロジーが追加されたことで「すっきり構えられるのに芯が広い #1」「アライメントしやすくブレにくい #2」「ゆったりした振り心地なのに操作性がある ダブルワイド」になっていました。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
猿場トール