阪神・佐藤輝、世紀の一発放つ! 5日、100周年甲子園初戦
甲子園での今季初戦を心待ちにしている佐藤輝(撮影・松永渉平)
メモリアルイヤー、出発進行! 阪神は5日に楽天とのオープン戦で今年の甲子園初戦を迎える。佐藤輝明内野手(24)が4日、同球場100周年の幕開けを飾る試合に向けて気合を入れた。阪神甲子園駅の駅前広場や球場内部などが新たな装飾となって盛り上げる、記念すべきシーズンの第一歩。虎の主砲が〝世紀の一発〟で花を添える。
阪神電車を降り、甲子園駅の改札を出れば、100周年を記念する新たな装飾がファンを出迎えてくれる。メモリアルな一年となるホーム球場の〝お祝いムード〟をさらに盛り上げるため、佐藤輝が甲子園の今季初戦から大暴れする。5日の楽天戦に向けて心を躍らせた。
「初めての甲子園なので。グラウンドとかね、風もそうですけど、そういうのは確認できたらいいと思います」
昨年11月2日のオリックスとの日本シリーズ第5戦以来、123日ぶりとなる甲子園での試合。黒土の感触をしっかりと確かめながら、甲子園独特の浜風の流れを肌で感じる。
打撃での安定感を増すために、昨年12月に米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」で動作解析を受けて成長。浜風に乗せて本塁打を量産することを目指し、2月の沖縄・宜野座キャンプでは逆方向への打撃練習を繰り返してきた。オープン戦は5試合に出場し、打率・214(14打数3安打)、1本塁打、2打点。連覇を目指すシーズンに向けて上昇カーブを描くためにも、100周年の初戦で練習の成果を示す〝世紀の一発〟を放てば、自信は自然と深まる。
阪神ファンにとって酸いも甘いも経験した甲子園は、今年8月1日に〝100歳〟になる。佐藤輝にとってもプロ1年目からグラウンドの上で〝鍛えてもらった〟場所。久々の聖地での一戦を控えて心境の変化は「わかんないっす」と泰然自若を貫くが、大歓声を浴びれば、闘志はどこまでも熱く燃え上がるはずだ。
昨年5月に甲子園で行われた広島戦では、2リーグ分立後の球団通算8000号のメモリアルアーチを描いた。5日の楽天戦、持ってる男の一発でオープン戦の連敗が「5」で止まれば、幸先よく2024年シーズンのスタートを切れる。
甲子園は100周年の初戦を前に、着々と特別な装いに変化した。甲子園駅前広場はゲートにオリジナルの装飾を実施し、大正、昭和、平成、令和の写真を使って重厚な歴史を感じられる仕様になった。球場の正面付近から入場すると、ガラス張りの吹き抜け上部に大型のタペストリーが掲げられ、100周年をより体感することができる。5日は100周年を記念して神戸製鋼所が協賛したマウンド広告も初めてお披露目される。
「確認して、いい準備をしたいと思います」
5日の関西地方は雨模様が予想されるが、佐藤輝が力強い弾道で雨粒を切り裂く。全力プレーでスタンドを沸かせ、新たな歴史を刻む。(新里公章)
■阪神甲子園球場 1924(大正13)年8月1日に甲子園大運動場として開場。暦の干支を構成する「十干」と「十二支」、それぞれの最初である「甲」と「子」が合わさる縁起のよい年だったため名付けられた。47年、ラッキーゾーン設置(91年に撤去)。プロ野球がフランチャイズ制を暫定導入した48年から大阪タイガースの専用球場に。64年、球場名を阪神甲子園球場に変更。2009年、リニューアル工事で銀傘などが改修された。総面積約3万8500平方メートル。中堅118メートル、両翼95メートル。4万7359人収容。所在地は兵庫県西宮市甲子園町1の82。
甲子園100周年の球場正面の装飾(撮影・安部光翁)