西田凌佑がプロ9戦目で世界王者「夢みたい」 元ボクサーの妻と二人三脚でベルト奪取
IBF世界バンタム級世界戦で勝利し、ベルトを巻く西田凌佑(中央)=4日、エディオンアリーナ大阪(根本成撮影)
4日に行われた国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級タイトルマッチ12回戦で、西田凌佑(六島)が王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に3―0の判定で勝ち、王座獲得に成功した。
王者優位の下馬評を覆し、西田がベルトを奪取した。世界初挑戦で強敵のロドリゲスに3-0の快勝。「夢みたいです。勝てないといわれていたチャンピオンに勝てて、本当にうれしい」と頰を緩めた。
4回に強烈な左ボディーをヒットしてダウンを奪った。中盤は相手の猛攻にやや後退したが、終盤にかけて接近戦で打ち合った。これまでは足を使って距離を取り、打たれずにポイントを稼ぐ戦法だったが、それでは勝てないと踏み、練ってきた作戦だった。ロドリゲスも「想定外だった」と振り返り、完敗を認めた。
愛妻と二人三脚で世界のベルトにたどり着いた。昨年3月に結婚した沙捺(さな)夫人は近大の同級生で、全日本女子選手権で優勝経験を持つボクサー。今でもスパーリングを見てもらい、アドバイスをもらう。今年3月に第1子を出産したばかりだが、子育てをしながら食事面で減量もサポート。試合後はリングの上から「沙捺、獲ったで」と感謝を込めて声を張り上げた。
大学卒業後に一般企業に就職したが、リングへの思いが再燃して2019年にプロデビュー。9戦目で早くも世界王者となった。「実力的には他(団体)の王者が強いけど、もう一度練習して強くなりたい」。27歳はさらなる高みを見据えた。(大石豊佳)