戦術核兵器の部隊に軍事演習を指示…プーチン大統領
プーチン大統領=ロイター
ロシア国防省は6日、プーチン大統領の指示を受け、戦術核兵器を運用する部隊が軍事演習を近く実施するとし、準備を始めたと発表した。プーチン大統領は7日、通算5期目の就任式を控えており、ロシアが侵略するウクライナを支援している西側諸国をけん制する意図があるとみられる。
演習には、ウクライナに接する地域を管轄する露南部軍管区のミサイル部隊が参加する。射程が短い戦術核兵器は爆撃機や巡航ミサイルに搭載され、局地的使用を想定している。米本土などへの攻撃を念頭に置いた戦略核兵器よりも使用のハードルが低いとされる。
今回の演習に関し、露側は「ロシアに対する西側当局者による挑発的な発言や脅迫に対応」するためだと主張している。ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は6日、フランスのマクロン大統領が仏軍部隊のウクライナ派遣の可能性に言及したことなどが念頭にあるとしている。
ロシアのウクライナ侵略を受け、北大西洋条約機構(NATO)は今年、東西冷戦終結後で最大規模の軍事演習を実施している。露側には核でNATOを威嚇する狙いがあるとみられる。