尹錫悦大統領が1年9カ月ぶり会見 「岸田首相と信頼関係十分」 日本重視変わらず
【ソウル=時吉達也】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は10日に政権発足2年を迎えるのを前に9日、大統領府で記者会見を開いた。日韓関係については「歴史問題などの懸案はあるが、北朝鮮の核問題対応や経済協力、グローバル社会でのリーダーシップ確保のため両国は協力すべきだ」と強調。岸田文雄首相と「十分な信頼関係があることを互いに理解している」と述べた。
尹氏が公式の記者会見に臨むのは2022年8月以来。一部革新系メディアとの対立から、同年11月以降は出勤時の「ぶら下がり取材」への対応も中断しており、コミュニケーション不足に対する世論の批判が高まっていた。尹氏は4月の総選挙で与党が惨敗した結果を受け、「意思疎通が非常に足りなかった。国民との討論会開催に加え、メディアを通じて国民に説明、理解を求める機会を増やす」と話した。
11月の米大統領選を控え、共和党候補指名を確実にしたトランプ前大統領が在韓米軍駐留経費の負担増を韓国に要求している問題には、「他国の大統領選の結果を仮定して言及するのは適切でない」とし、「韓米同盟には米議会、行政の強力な支持があり、堅固な関係は変わらないと確信する」と述べた。
尹氏は会見に先立ち、今後の国政運営に関する国民向けの談話を発表。少子化問題を統括する担当省庁を新設する方針を表明した。