「全ての飼い主は猫様のお世話係である」愛猫家がGWにゆる~く教える“猫あるある”
猫様は飼い主の心に深く入り込む(写真はイメージです) Photo:PIXTA
やってみないとわからないことは多くあるものだ。動物と一緒に暮らすのもその一つ。愛猫家から集めた猫と暮らして初めて知ったことを、「猫あるある」としてお届けしたい。(フリーライター 鎌田和歌)
先日、ある匿名ブログで「子供を育てて初めて知ったことランキング」というエントリが注目を集めていた。エントリを書いた人が出した例は「カレーパンマンとしょくぱんまんは人気がない」であったが、このほかにも「車で遠出した際のイオンモールの偉大さ」や「ここまで個体によって違うと思わなかった」などの素朴なコメントが寄せられていた。
【参考】
子供を育てて初めて知ったことランキング(はてな匿名ダイアリー)
https://anond.hatelabo.jp/20240424211437
なるほど面白く拝見したが、ここでまた同じテーマでコメントを募るのは野暮であるため、少しアレンジして「猫と暮らして初めて知ったこと」を集めてみたい。
ゆるいネタ記事となるが、GW半ばということでご容赦いただきたい。
以下のコメントはいずれも愛猫家たちから集めたものだ。なお、個体差があるのですべての猫に当てはまる特徴ではないことをあらかじめご了承いただきたい。
猫様のお食事
その傾向と注意点
「同じフードをあげていると飽きて食べなくなる」
猫は味覚が敏感と言われ、同じ味のものばかりあげていると食いつきが悪くなることがある。同じ種類でも「ささみ味」「マグロ味」など複数の味を用意するキャットフードが多いのは、このような猫の傾向を踏まえてだろう。
偏食な猫も多いため、飼い主は苦労することも多いようだ。
「試供品でもらったときは食べるのに、いざ大袋を買うと食べない」
これも猫の気まぐれから来る傾向。昨日はがっついて食べていたのに、今日は見向きもしない、なんていうこともある。
全ての猫様が
「ちゅ~る」を好きなのか?
「水を飲んでもらうのが大変」
猫の先祖は砂漠で暮らしていたと言われ、少量の水しか飲まない猫が多い。しかし猫の死亡原因の上位である腎臓疾患を防ぐためにはなるべく水を飲むことが必要だと言われている。猫の通り道に水を置く、水飲み場を何カ所かに分ける、フードに水を足してあげる……など試行錯誤で水を飲ませる飼い主は多い。
一方、腎臓疾患のある猫は多飲多尿の傾向があると言われており、水を飲む量が急に増えた場合は注意が必要だ。
「ちゅ〜るを好まない猫もいる」
猫が目の色を変えて喜ぶと言われる、いなば食品の「ちゅ〜る」。猫飼い以外にもその魅力は知れ渡っており、猫を飼う人がプレゼントでもらうことが最も多い猫関連商品と言われている(筆者調べ)。
しかし前述した通り猫は偏食であり、味の好みにうるさいため、個体によってはまったく食べなかったり、そもそも液体のフードを好まなかったりする場合もある。そして昨日食べたものでも明日喜ぶとは限らない。
「食後に顔を洗う」
猫が顔の周りを前足で拭う仕草。これは食後に行われることが多い。一説には、他の動物に見つからないため、顔の周りに残った食べ物の匂いを取るために行っていた習慣の名残なのだとか。
「ユリや紫陽花は猫にとって猛毒」
ユリ科の植物(ユリの他、チューリップやヒヤシンスなど)や紫陽花は誤って食べると死に至る場合がある。このほか、サトイモ科、ツツジ科など気をつけなければならない植物は多くあるので注意が必要だ。
一方、「猫草」やマタタビなど、猫が好んで食べる草もある。
「猫草が無印良品に売っている」
その猫草はペット用品店や観葉植物店で売っていることがあるが、最近では無印良品でも売られている。水を入れて数日待てば草が生えてくるので、その育成も楽しめる。
「頻繁に吐き戻しする」
舌を使って毛づくろいを行うため、毛玉がお腹に溜まる。それを吐き出すために猫草を食べて自発的に吐くのが猫である。
しかし原因はそれだけではなく、早食い、食べる際の姿勢、もともとの体質によっても吐くことがある。キャットフードをあげる際の器の位置を高くするなどの工夫が猫飼いの間では共有されており、また吐き戻し軽減のためのキャットフードも販売されている。
もちろん、体調不良、病気による吐き戻しもあるため、あまりに頻繁に、また大量に吐く場合は病院での検査が必要だ。
飼い主を虜にする
猫様の毎日の習慣
「毛づくろいが入念。爪を噛んで掃除していることもある」
猫はきれい好きな動物である。爪の間に入った汚れを一生懸命かじって取ろうとする姿も見られる。
「猫の目の色は多様だが、子猫はブルー」
猫の目の色は金色、青、緑、褐色などだが、生まれてすぐはほとんどが青い目をしているという。成長するに従いメラニン色素が働き始めることにより、目の色が変わっていく。
「正面から見ても横から見ても目がきれい」
猫の目はまるで小宇宙のようで見る人を和ませるものがある。
「そんなにツンツンしていない。デレも割とある」
よく犬と比較して「犬は人に、猫は家になつく」「犬は従順、猫は奔放」「犬は人間を主人だと思っている。猫は自分を主人だと思っている」など、猫は自由気ままな様子や薄情さを強調されがちである。
しかし猫も案外、甘えん坊なところがあり、人間に心を許した猫が頭を擦り寄せてくる様子にはたまらないものがある。もちろん個体差はある。
愛猫家がネタにしたがる
「黒猫様あるある」
「おもちゃを次から次へと買ってしまう」
猫様が喜ぶことを期待して、しもべ(人間)はせっせとおもちゃを購入する。しかし悲しきかな、猫様がお気に召すものは多くはなく、購入した商品の5〜7割程度は放置されてホコリをかぶる。
「多頭飼いは猫同士仲良くしてくれたらラッキー。基本的には仲が悪い」
SNSなどでは複数の猫が仲良く一緒に寝ていたり、犬やその他の動物と楽しそうに戯れていたりする動画も見られる。しかし。本来猫は縄張り意識の強い生き物であり、他の猫に対してフレンドリーではないと思っておいた方ががっかりしないですむ。
2匹目、3匹目を迎える際に先住猫がストレスで大変なことになった、という話もしばしば耳にする。
「黒猫はどこにいるかわからない」
そして黒猫飼いの人はそれをネタにしがちである。
「夜中の大運動会がたまにある」
昼間に寝過ぎたのか、夜になってからアスリートのように駆けっこや鬼ごっこを始めることがある。睡眠妨害される人間に気を使う様子はない。
「どんくさい子もいる」
猫は基本的にすばしっこいし、跳躍力も高く、前足が器用なので木登りやタンスの開閉もできてしまうことがある。しかし中には運動神経が鈍い個体もあり、跳躍に失敗したり、転んだり、高いところから落ちたりすることもある。
「耳がいい。珍しい音にすぐ気づく」
小さな音でもすぐに気づくし、それがいつもと同じ音か、そうではない音かも聞き分けているようである。
「けれど明らかに聞こえているのに無視することがある」
都合の悪いことは聞こえない。気分によっては返事をしない。それが猫。
「おててはかわいいが、触るのは御法度」
猫のおてて(前足)はかわいいし、それをしまって香箱座りするのもまたかわいい。しかしだからといって触ることは許されない。最悪の場合、容赦なく爪を立てられることもある。
猫様はなぜ
「ふみふみ」するのか
「猫のふみふみは愛情表現」
ときとして、柔らかいもの(ふとんや人間の背中など)の上で、うどんをこねるような仕草をすることがある。愛情表現やストレス発散、マーキングなど複数の説があるようだが、なるべく愛情表現だと思いたい。
「いつもは強気な猫が病院では借りてきた猫のようにおとなしい」
縄張りである自宅では強気な猫でも、アウェイではスン……となることがある。
「猫は猫だと思っていたが、個体差が大きい」
兄弟猫を飼っている人の場合、他人からするとまったく見分けがつかないが、飼い主に聞くと「全員顔が違う」「体型から尻尾の形から何から何まで違う。一番違うのは性格」などと言う。
要するに、よく観察すると人間と同じように個体差があり、猫を飼ったことがない人が想像するよりも個体差は大きいようだ。
「猫用テレビがYouTubeにある」
家猫のストレス発散には窓から景色を眺めるのがいいと言うが、窓がなかったり、猫にとって楽しい眺望ではなかったり、ということもある。
そんな人のためなのか、YouTubeで「猫用テレビ」などと検索すると、穏やかな景色の中に時折、鳥や小動物が訪れる、というような動画がヒットする。これは猫によっては目を離せない光景らしく、夢中で見る猫もいるようだ。
「猫が脱走しないように窓や玄関に自作のDIYをする人が多い」
猫を初めて飼う人が、獣医やブリーダー、譲り手の人などから口を酸っぱくして言われるのが「脱走させないよう気をつけて」である。どんなに懐いている猫でも、ふとした拍子にドアや窓から外に出てしまうことがある。
そのため、玄関や窓の前に脱走防止の柵をつけるなどのDIYをする人も多い。犬と違い、猫は足を器用に使って高いところへ登るのが得意なので、防止策にも知恵がいる。
人間は猫様のために働く
全ての猫様に幸あれ
「猫の語源は一説には”寝る子”」
猫は1日の大半を寝て過ごす。1日観察していても、呆れるほど寝ている。見守りカメラをつけた人に聞いてみると、留守中もほぼ寝ているそうである。人間は猫に思う存分寝ていただくために仕事をしているという説さえある。
「子猫も大人猫もかわいい」
成長すると子猫の頃のあどけなさは失われるが、大人猫のふてぶてしさや貫禄もまたたまらなくかわいいものである。
「トイレを済ませた後で、砂をかく仕草さえかわいい」
その一挙手一投足がすべてかわいいのが猫の魔力である。
「うちの猫が一番かわいい」
これは猫と暮らす人、すべてがそうであろう。そうであってほしい。
GWも、猫に幸あれ。