今永昇太が10失点KOの悪夢払拭の裏側にあった指揮官の言葉「殴られても…」 登板前は「めちゃくちゃ不安」も
カブス・今永昇太投手(ロイター)
◆米大リーグ ジャイアンツ3―5カブス=延長10回=(27日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)
カブス・今永昇太投手(30)が27日(日本時間28日)、敵地・ジャイアンツ戦に先発し、メジャー移籍後最速となる94・6マイル(約152・2キロ)も計測するなど、6回で93球を投げて5安打3失点、3奪三振と好投を見せたが、勝敗はつかず8勝目(2敗)は逃し、防御率は3・07となった。チームは延長10回の接戦を制して連敗を「4」で止めた。
悪夢は払拭した。前回登板の21日(同22日)の本拠地・メッツ戦では4回途中11安打10失点と大乱調で2敗目(7勝)。試合後には「もっと工夫しないといけない」と悔しさをにじませていた。メジャー移籍後ワーストの結果で「めちゃくちゃ不安だった。なかなか眠られない日があったりとか、今日の試合前もすごく弱気になってしまった」というが、この日は5回まで1安打無失点で抑えるなど、力強い投球が戻った。
中5日での復活の裏側には、キャンプ中のミーティングでカウンセル監督が発した言葉があったという。
「『殴られても立ち上がればいい。別に殴られることは悪いことではない。パンチを食らうことは悪くはない。そのあとに立ち上がることが大事』とおっしゃられていた。今週は僕はすごくパンチを食らった状態でなかなか厳しい1週間でしたけど、立ち上がろうとする姿勢を誰かに見てもらえたらなと思いますね」
前回登板では、力を入れすぎずに投げようとしたことが裏目に出て11安打を浴びた。「出力を抑えて相手に勝てるほどこの世界は甘くないなというのは前の試合で痛感した。その反省を生かして、出力を保ったまま終盤どれだけ続けられるかを今日はやってみました。ここで何も成し遂げてない自分がなんで8割で抑えようとしていたのかと。そこは自分の力を物凄く過信していた。今日くらいの出力を出し続けなければ、本当に通用しないということは本当に勉強になりました」。必死に腕を振って、試合は作った。
6回に3点を失って追いつかれ、8勝目には届かなかったが、中5日でしっかりと修正し、今後への期待が膨らむ登板となった。